シーベジたべるフィッシュを美味しく学ぶ
三重県津市にある百五銀行の社食で、一般社団法人旅する学校が主催した「つなぐ海と食の未来」というイベントが開催されました。このイベントは、磯焼けという海の環境問題を意識し、植食性魚類であるアイゴを活用して美味しく食べながら学ぶことを目的としています。参加者は、約280食のアイゴを使ったメニューを楽しみながら、海の重要性について深く考える機会を得ました。
イベントの背景
このイベントは、百五銀行、その地域に根ざした三重県及び鳥羽磯部漁業協同組合との連携によって実現しました。磯焼け問題は、海藻が減少する現象で、それに寄与する植食性魚類の影響を受けています。そこで、地元の食材を利用して環境問題に取組む活動が行われています。イベントは、日本財団の「海と日本プロジェクト」の一環で、次世代に豊かで美しい海を残すための取り組みとして位置付けられています。
料理とその評価
イベントでは、アイゴを使った「フライ」と「みぞれ餡かけ」の2つの料理が提供されました。フライは150食が完売し、参加した銀行の行員からは、「思ったより美味しい」との声が上がっていました。未利用魚ということから抵抗感を感じていた人もいましたが、実際に口にしてみることで、その美味しさを実感したようです。アイゴという魚は普段はあまり見かけない魚ですが、新しい食材としての受容が進む可能性を秘めています。
セミナーと海の課題
初日のセミナーでは、「海でいま起きていること」というテーマで、海藻の減少や海水温の上昇がどのように関わっているかが説明されました。参加者は、これらの環境問題が自分たちの日常生活にも影響を与えていることを理解する良い機会となりました。また、アイゴを使った料理の背後にある生態系の問題にも触れ、参加者たちは海の現状を深く知ることができたようです。
参加者の反応
参加者からは、「アイゴが美味しい魚だと知った」「環境の問題について理解が深まった」との声が多くありました。普段は馴染みの少ない魚ではありますが、その美味しさを体験することで、今後の消費拡大につながる期待が寄せられています。多種多様な動機で参加した方々が、魚を食べることを通じて海の大切さについて考える姿が印象的でした。
地元と未来への展望
「つなぐ海と食の未来」は、単なる食イベントに留まらず、地域の課題解決に向けた重要な一歩となりました。イベントを通じては、地元の食材とその利用方法、さらには環境問題についての意識改革が進むことが期待されます。次世代に美しい海を引き継ぐため、今後もこのような取り組みが継続されることが望まれます。
団体情報
一般社団法人旅する学校は、地域づくりをテーマにした活動を行っており、ウェブサイトからその具体的な取組を知ることができます。興味がある方はぜひ訪問してみてください。
一般社団法人旅する学校の公式サイトはこちら
日本財団の「海と日本プロジェクト」も、海と触れ合うことでその価値を再確認し、大切にしていく活動を進めています。興味がある方は、プロジェクトの情報もご確認ください。
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