CEO調査：M&Aへの自信と攻めの姿勢を求める新たな潮流

EYが発表した最新の「EY CEO Outlook Pulse survey」で、世界のCEOたちのM&Aに関する考え方が明らかになりました。この調査により、CEOたちは不安定な経済環境にもかかわらず、M&Aに対する自信を高めていることが示されています。全体の約69%のCEOが、今後1年間の経済成長に楽観的な見通しを持っているとの結果が報告されました。

CEOの自信とその影響

調査によると、CEOが自信を持っている場合、買収を行う確率は低い自信を持つCEOの4倍にも達します。また、エマージングテクノロジーや地政学的不安定性といった要因が、引き続き多くのCEOにとって重要な課題であることが分かりました。

不確実性の高い環境でCEOたちは受け身から攻めのスタンスにシフトすべきだと指摘されています。実際、調査に参加したCEOのうち、業界の変化に対して迅速に対応できていると考えるのは38%に過ぎず、自信の高いCEOにおいても54%に留まる一方で、自信の低いCEOではわずか8%となっています。これにより、CEOの楽観的な姿勢が悪化した市場状況でもM&A活動を活発化させる及ぼす影響が期待されます。

攻めの姿勢への転換

EYグローバル副会長のAndrea Guerzoniは、「CEOは変化する外的環境を意識し、ディスラプションによるチャンスとリスクを認識している。攻めの姿勢を持ち、進行中の変化を利用することで、投資およびM&A活動を加速させるであろう」と述べています。

実際にCEOの78%が、ディスラプションに適応しつつ、自社の戦略に基づいたM&A活動を計画しています。今後約37%のCEOがM&Aを進める予定であり、特に自信の高い経営者は59%が買収を計画しているというデータもあります。この傾向は、CEOたちが変化を求め、よりアクティブなポートフォリオ管理に移行する必要があることを示唆しています。

戦略的提携と多様な投資

続いて、CEOの47%が今後1年間での戦略的パートナーシップを考慮しており、44%が事業売却またはIPOを検討していることも分かりました。未来の主要な投資先としては、米国や英国、カナダといった国々が挙げられ、銀行やメディア・エンターテインメント、消費財といったセクターに魅力を感じるCEOが多くいます。

また、CEOが優先的に考えるディスラプションの要因には、エマージングテクノロジーや顧客ニーズの変化、地政学的な不安定さが含まれています。ただし、気候変動や人材不足に対する懸念を抱くCEOはそれぞれ29%に過ぎず、これらの問題が現在のビジネス戦略においてどのように位置づけられているかが今後の課題となります。

結論：未来のM&Aへの期待

EYの調査は、CEOたちが不確実なビジネス環境の中でも自信を持ち、積極的な行動に出ていることを示しています。特に、分野や国を問わず、ディスラプションを機会として捉え、自社の成長に繋げる努力が今後期待されます。CEOsの動きは、M&A市場を活発化させ、企業戦略の根本的な見直しに繋がるかもしれません。これからのビジネスシーンでどのような変化が起こるのか、しっかりと注目していきたいところです。