髙松グループの持続可能な取り組み
髙松コンストラクショングループ(以下、髙松グループ)は、企業の社会的責任に基づき、持続可能な社会の発展を目指しています。この度、同グループの子会社である青木あすなろ建設株式会社は、岩手県洋野町が実施するブルーカーボンプロジェクトに賛同し、Jブルークレジット®を21.5トン購入しました。この取り組みは、地域の海洋環境を保全する重要な活動となります。
増殖溝を活用した藻場の保全
洋野町では、1970年代から増殖溝という独自の方法でウニやアワビの漁業資源を守る取り組みが行われてきました。この増殖溝は、岩盤に設けられた溝で、合計178本、総延長は17.5kmに及びます。海の干満を利用し、新鮮な海水が流入するその構造は、ワカメや昆布などの海藻が育ちやすい環境を提供しています。育成された海藻は、潮の流れによって海に流出し、CO₂の固定に寄与しています。
このように、増殖溝は高品質なウニの水揚げを支え、持続可能な漁業を実現してきました。洋野町は現在、本州トップのウニの水揚げ量を誇り、同時に累計3,453トンのブルーカーボン認証量を達成しています。これは、海洋生態系が気候変動対策としての重要性を持つことを示しています。
ブルーカーボンの重要性
ブルーカーボンとは、海洋生態系においてCO₂が吸収され、隔離されることで形成される炭素を指します。グリーンカーボン(陸域の森林が吸収する炭素)と共に、気候変動対策としての可能性が高く、ブルーカーボンの保全や創出は、持続可能な社会づくりに欠かせません。髙松グループの取り組みは、こうした重要な活動に寄与しています。
クレジット購入の背景
青木あすなろ建設の増殖溝の造成は、1970年代に遡ります。その資金が藻場の生育環境をより良くするために活用されることで、CO₂吸収量の増加が期待されます。このプロジェクトは、地元社会に貢献しつつ、温室効果ガスのカーボン・オフセットを実現するものです。今後、この取り組みを通じて、さらなる環境保全が促進されるでしょう。
未来への展望
髙松グループは、このプロジェクトに留まらず、コマツと協力し、水中施工ロボットの開発にも取り組む予定です。遠隔操作による水中工事は、脱炭素社会の実現に向けた大きな一歩となるでしょう。また、自然災害への対応や藻場の創出・保全、さらには担い手不足への対策等、社会的な課題にも積極的に取り組んでいます。これらの活動は、企業としてのグリーン成長を実現するために必須のものです。
髙松グループの未来志向
髙松グループは、「気候変動」を中長期リスクとして捉え、2050年までのカーボンニュートラルを目指しています。2023年には「気候変動対策推進委員会」を設置し、TCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)の提言に沿った情報開示も行っています。全社一丸となって、環境問題の解決に向けた努力を続けていく所存です。
このように髙松グループは、持続可能な社会を築くための多様な手段を講じ、次世代に引き継いでいく責任を全うしています。