社員の声を経営に活かす新たな試み
2026年、東京都八王子市から新しい人事施策が始まります。MiraiCraft八王子株式会社が発表した「社員カウンセリングを通じた戦略的人事課題解決プロジェクト」は、中小企業が抱える人材不足の課題に立ち向かうための革新的なアプローチです。このプロジェクトは、社員一人ひとりの声を経営に生かすことを目的としており、特に中小企業における組織の持続的成長を支援します。
人材不足の時代に必要な「聴く」人事
少子高齢化が進む日本において、労働力の減少は企業にとって深刻な問題です。特に中小企業では、専門の人事部門を持たないところも多く、従業員の真の声を把握することが難しい状況が続いています。厚生労働省の調査によると、従業員50人未満の企業では離職率が大企業の約1.5倍高く、主な理由として「職場環境への不満」や「キャリア展望の不透明さ」が挙げられています。
MiraiCraft八王子の代表、阿川智紀氏は、大手ITメーカーや医療法人での経験を踏まえ、社員の声を経営に反映させる仕組みが組織の成長に不可欠だと語ります。
>「私自身、複数の組織で働きながら、現場の声が経営層に届かず、優秀な人材が流出していく場面を何度も見てきました。特に中小企業は日々の業務に追われ、戦略的な人事施策を講じる余裕がない。そこで、外部の専門家が介入し、社員と経営をつなぐ架け橋になれればと思いました。」(阿川氏)
年2回のカウンセリングで社員の声を拾う
このプロジェクトの最大の特徴は、全社員を対象とした定期的なカウンセリングです。年間2回、各社員に対して45分の個別面談を行い、職場環境や人間関係、キャリアについての悩みや提案を聴き取ります。得られた情報は、個人が特定されない形で整理し、経営層にフィードバック。これにより、組織全体の傾向や課題を可視化し、実効性のある人事施策の立案を支援します。
プロジェクトの主な内容
- - 全社員対象のカウンセリング(年2回)
- - 個別面談で職場環境やキャリアに関する意見を収集
- - 完全匿名での意見集約
- - 経営層へのフィードバックと提案
- - 組織課題の分析と優先順位付け
- - 制度設計や人材育成施策の提案と実施支援
- - 効果測定と継続的な改善提案
- - 社内コミュニケーション活性化の支援
これらのステップを繰り返すことで、社員の声を基盤にした組織改革が継続的に進められます。
クラウドファンディングで透明性のある支援活動
プロジェクトの立ち上げにあたり、MiraiCraft八王子はREADYFORを通じてクラウドファンディングを実施し、必要な資金を集める予定です。調達した資金は、専門カウンセラーの育成や支援先企業への初期導入コスト補助に使われます。
阿川氏は、「社員の声を経営に反映させることは、単に離職率を下げるだけではなく、企業の競争力強化にもつながる。意見を言える環境がイノベーションの源泉になると信じています。」と語り、八王子から全国にこの取り組みを広げる未来を描いています。
会社概要
- - 会社名: MiraiCraft八王子株式会社
- - 所在地: 東京都八王子市城山手2-27-17
- - 代表者: 代表取締役 阿川智紀
- - 事業内容: 中小企業向け人事コンサルティング、社員カウンセリング、組織開発支援
- - URL: MiraiCraft八王子ウェブサイト
プロジェクトの活動内容と成果は定期的に公開され、支援者や参加企業との透明性あるコミュニケーションが重視されています。社会課題である「働きがいのある職場づくり」に貢献することを目指すこの取り組みに、今後も注目です。