AWSコストを見える化し、FinOpsを強化
2024年8月8日、メタップスホールディングスが提供するITインフラの監視サービス「srest」が新機能「コストインサイト」を発表しました。これにより、Amazon Web Services(AWS)のコストを一元的に可視化できるようになり、企業のコスト管理がより効率的になることが期待されています。クラウド利用が進む中、コストの最適化が課題となっている中、リアルタイムでのコスト把握は企業戦略の鍵となるでしょう。
コストインサイト機能の主な特徴
1. AWSサービスのコスト可視化
AWSは多様なサービスを提供していますが、多くの企業では異なるサービスを組み合わせて利用しています。新機能では、AWS全体のコストだけでなく、各サービス単位でのコストも把握できるため、コストの流れを直感的に理解できます。例えば、仮想サーバーの「Amazon EC2」やデータベースの「Amazon RDS」など、使用量に応じたリアルタイムのコストを見える化することで、無駄遣いを防ぐ手助けとなります。
2. プロダクト間のコスト横断表示
複数のプロダクトを持つ企業では、各プロダクトごとにAWSアカウントを運用しているため、コスト管理が複雑化します。この新機能では、一つのインターフェースから全プロダクトのコストを一目で比較可能になり、効率的に全体像を把握できます。これにより、どのプロダクトが最もコストを消費しているのかを簡単に見極めることが可能です。
3. コスト推移の簡単な把握と比較
月ごとや日ごとのコストの推移、さらには先週や先月との比較もスムーズに行えるため、運用担当者の負担が軽減されます。これまではAWSの「Cost Explorer」があったものの、複数プロダクトの状況を同時に分析することは容易ではありませんでしたが、この新機能の導入により、シンプルな比較ができるようになります。
企業の抱える課題と新機能の意義
近年、柔軟で手軽なクラウドの利点が広まり、マルチクラウド環境が一般化してきました。しかし、その反面で、部門ごとに異なるクラウドサービスを利用することにより、企業全体のコストを把握するのが難しくなっています。特に、クラウドを活用する企業では、業務の優先がプロダクトの安定性に向きがちで、コスト管理まで手が回らないケースが多々あります。
その結果、請求時に思わぬ出費が発覚することがあります。さらに、AWSのような海外クラウドサービスの利用では、為替変動がコストをさらに上昇させる要因となります。そのため、クラウドコストを適切に管理することが、企業の成長を支える重要な要素となっています。
新機能の「コストインサイト」は、こうした企業ニーズに応える形で、コスト管理を支援することを目指しています。コストを可視化することにより、企業内でコスト意識が高まり、早期にコストの推移を把握することができるため、効率的なFinOpsの導入が期待できます。
さらなる発展に向けて
「srest」は今後、コスト可視化の対象をAWS以外にも拡大する計画を立てています。異常なコスト上昇が発生した際には通知を行い、さらにイベントログの傾向からコストの上昇理由を示唆する機能も検討中です。これにより企業は、より包括的にコスト管理を実施し、効率的な運用が可能となるでしょう。
まとめ
メタップスホールディングスの「コストインサイト」は、企業が抱えるクラウドコストの透明性を高め、FinOpsの実現をサポートする革新的な機能です。クラウド利用が増える中、この機能は今後ますます重要性を増していくことでしょう。