北朝鮮系サイバー犯罪組織のマネーロンダリング網を解説
最近、韓国のAI企業S2Wが発表したレポートによって、北朝鮮系のサイバー犯罪組織がどのように暗号資産のマネーロンダリングを行っているのかが明らかになりました。特に、窃取した資産を現金化するまでの複雑なプロセスと関連するインフラが詳細に分析されています。
北朝鮮の資金調達戦略
北朝鮮は国際的な金融制裁を回避するため、暗号資産を利用した資金洗浄に積極的です。過去の代表的な事案として、「Ronin Bridge」や「Horizon Bridge」などがあり、これらは全て北朝鮮に関与する脅威グループによるものとされています。S2Wのレポートは、これらの事件をもとに、北朝鮮のマネーロンダリング網の全貌を明らかにしています。
多段階マネーロンダリングプロセス
北朝鮮系脅威グループは、資産を直ちに現金化せずに、以下のような多段階のロンダリングフローを構築しています。
1.
初期分散フェーズ
窃取した資産は、数百から数千のウォレットに分散され、追跡を困難にしています。
2.
ミキサー段階
ミキサーサービスを利用して、複数のユーザーの資産を混ぜ、送信者と受信者の関連性を薄めます。
3.
ブリッジ/クロスチェーンスワップ段階
ブロックチェーン間での資産移動を支援するため、ブリッジやクロスチェーンスワップを使用します。最近確認されたテクニックには、「THORChain」を経由したETHとBTCの変換が含まれます。
4.
現金化(OTC)段階
店頭取引(OTC)ネットワークを通じて、ステーブルコインに変換し、現金化します。特に東南アジアに拠点を持つ「Huione関連サービス」が懸念されています。
主要なロンダリングインフラの分析
S2Wのレポートでは、北朝鮮のマネーロンダリングに関与する主要なインフラについても詳しく分析しています。
- - Blender.io: ビットコインミキサーとして米国の制裁リストに載った初のサービスで、多くの窃取資金を処理したとされています。
- - Tornado Cash: イーサリアムベースのミキサーで、入金と出金の関連性を薄めるための技術を活用しています。
- - Sinbad.io: Blender.ioへの制裁後に頻繁に見られるビットコインミキサーで、再度制裁対象となりました。
- - eXch: 最小限のKYCで利用できる暗号資産交換サービスで、北朝鮮系犯罪グループが利用した際のルートとされています。
- - THORChain: クロスチェーンスワップを行うサービスとして評価され、北朝鮮のマネーロンダリングに使われています。
さらに、
中国系ロンダリングネットワークと呼ばれる非公式なOTCブローカーや資金仲介業者が、北朝鮮の資金清算を行う傾向も指摘されています。このことは、資金の移動が技術的なサービスから金融ネットワークへとシフトしていることを示しています。
ロンダリングインフラの変遷
近年、北朝鮮系サイバー犯罪のロンダリング手法は多様化しています。従来のミキサーから、クロスチェーンスワップやOTC基盤のインフラへと移行しており、脅威アクターはウォレットアドレスを頻繁に変更する一方で、使用しているインフラは再利用され続けています。
このような状況に対処するためには、特定のウォレットアドレスに注目するのではなく、資金が通過するサービスやプロトコルを追跡することが重要です。音取りのつけ方が今後のサイバーセキュリティ対策において大きな課題とされています。
以上が、S2Wによる北朝鮮系サイバー犯罪組織に関する徹底的なレポートの概要です。詳細な内容や分析については、公式サイトを通じてお問い合わせください。
会社概要
S2Wは、2018年に設立されたサイバー犯罪捜査支援のためのビッグデータ分析を行う企業です。国際的な協力体制のもとで、暗号資産に関する調査や分析を続けています。詳細は公式サイトをご覧ください。