千葉大学、ISO14001取得20周年を迎える
千葉大学が2025年1月でISO14001取得20周年を迎えます。2005年1月27日にこの環境マネジメントシステムの国際規格であるISO14001の認証を取得しましたが、その背景には2003年10月に発表した「環境ISOキックオフ宣言」と、同月にスタートした「環境ISO学生委員会」が存在します。学生が主体となってEMSの運営を行うこの委員会は、2004年度から運用を開始し、現在まで続けてきました。
学生主体の取り組み
この委員会は、当初約40名の学生が参加し、教職員と共にEMSのマニュアル作成や基礎研修、更には省エネ活動や内部監査などに従事してきました。ISO14001を取得した後も、毎年約200名の学生が活動に参加し、学内外における様々な省エネ、省資源活動、環境意識の啓発に努めています。その成果の一環として、千葉大学のサステナビリティレポートは毎年学生委員会によって制作されており、最近では「千葉大学環境ISO学生委員会活動報告書」も公開されました。
「千葉大学方式」としてのサステナビリティ実践
千葉大学のEMSは、「環境ISO学生委員会」を中心に運営されています。この取り組みは、学生に環境マネジメントの実務を学ばせる教育の一環でもあり、「環境マネジメントシステム実習」としても単位取得が可能です。3年の活動を経た学生には、学長から「千葉大学環境エネルギーマネジメント実務士」の資格が与えられ、774名がこの資格を取得しています。
最近の学生委員会の活動は、地域社会や国際的な視点でも広がっています。2009年にはNPO法人格を取得し、様々な環境教育活動やエコ教室、コンサルティングなどを通じて地域との連携を果たしています。このような活動は「千葉大学方式」と呼ばれ、持続可能な社会の実現に向けた重要な一歩となっています。
環境意識促進のプロジェクト
2017年度からは、京葉銀行との連携で「千葉大学×京葉銀行ecoプロジェクト」を実施し、地元住民に環境意識を啓発する取り組みが進められています。また、地域の企業と協力した「Chiba Winter Fes」などの啓発イベントも人気を集め、毎年多くの参加者を得ています。2020年度には2040年までに消費電力を再生可能エネルギーで賄う「長期ビジョン」も宣言し、より一層の環境意識の向上に努めています。
国際的な取り組み
2022年度には、タイのチェンマイ大学との連携により、学生委員会出身の学生がSDGsに関連するテーマを学ぶ留学プログラムもスタートしました。これにより国際的視野を持つ環境問題解決のリーダーシップを育てるプログラムとして注目されています。
2024年度には新たに副専攻プログラム「環境サステナビリティ実践学」が設置予定で、環境課題に取り組む人材の育成がさらに進められます。千葉大学は、ISO14001およびISO50001の規格に基づいた環境マネジメントの実施を続け、持続可能な社会の実現を目指します。
総括
千葉大学の20年にわたる取り組みは、大学としての責任を果たすだけでなく、学生自身が主体的に参加し、地域社会や国際社会に対しても良い影響を与えるものでした。未来に向けて、さらなる進化を期待したいところです。