アメリカ・中国・欧州のファッションEC市場の消費行動
株式会社ジグザグが展開する越境EC支援サービス「WorldShopping BIZ」は、アメリカ、中国、そして欧州(ドイツ・フランス・イギリス)の20〜30代女性を対象にした最新の消費行動調査を発表しました。この調査は、ファッション市場におけるEC利用の傾向を明らかにし、国ごとの消費者の特徴的な行動を分析しています。
調査背景
この調査は、観光庁が2025年に発表した海外からの訪日消費が大きく回復している状況に基づいています。訪日外国人の旅行消費額が過去の水準を大きく上回っており、特に中国、台湾、米国からの訪問者が注目される中、越境ECの重要性が増しています。訪日経験がある外国人観光客が日本のECサイトでの購入経験が高いことも浮き彫りになりました。
各国のEC消費動向
以下ではアメリカ、中国、欧州の消費動向をまとめます。
アメリカの消費者は、情報収集や商品の購入に際して主に「ブランド公式サイト」を利用しています。購入時に重視するポイントは「価格」がトップで、その後に「デザイン」や「素材」が続きます。また、SNSでは「Instagram」がファッション情報の主要な収集源となっています。レビューを参考にする消費者は62%と高い関心を示しています。
中国では、購入時にブランド公式サイトとアプリを併用する傾向が見られます。特にアプリの利用頻度が高く、主要な支払い方法として「Alipay」と「WeChatPay」が普及しています。情報収集には「WeChat」を用いており、機能性やトレンド、デザインが重要視されています。レビュー確認率は67%と高く、消費者の声が大きく反映される市場と言えます。
ヨーロッパの消費者は、ブランドやトレンドよりも「価格」「デザイン」「素材」を重視します。支払い方法に関してはセキュリティを重視し、「デビットカード」や「PayPal」を多く利用しています。ファッション情報は、ファッション専門サイトやレビューサイトからの参考が多く、54%の人がレビューを重要視しています。
結論:消費者の変化と越境ECの重要性
調査結果からわかるように、消費者のEC利用行動は国ごとに異なるものの、共通点として「公式」のサービスが信頼を得ているという点が挙げられます。また、各国でのレビューの重要性も指摘されており、消費者が他の購入者の意見を重んじるようになっていることがわかります。
さらに、アメリカは「価格」を重視していますが、中国では「機能性」や「トレンド」に注目が集まっています。欧州では持続可能なブランドへの関心が高まっており、環境意識が購買行動に影響を与えているのです。このような消費者意識の変化に対応するためにも、越境ECの導入は欠かせないと言えるでしょう。
調査結果の詳細については、WorldShopping BIZのウェブサイトでご覧いただけます。
本調査は2024年4月に実施されたもので、900名のサンプルからデータが収集されました。越境ECの市場を理解するための一助として、活用・参考にしてもらえればと思います。