後期高齢者の親との暮らしについての調査
近年、後期高齢者(75歳以上)の親を持つ子ども世代の同居状況が大きな話題となっています。アート引越センター株式会社の「0123引越文化研究所」が実施した最新のアンケートによると、日本の後期高齢者に対する子どもたちの意識や行動についての詳細が明らかになりました。
1. 親との同居状況
調査に参加した500人のうち、親と同居しているのは約3割、残りは約7割が同居していないことが分かりました。また、未婚者の44.9%が親と同居していないのに対し、既婚者は85.2%が同居していないという結果も興味深いものでした。このことから、既婚者はより自立した生活を求める傾向にあるのかもしれません。
2. 同居しない理由
親と同居していない理由について尋ねたところ、一番多かったのは「家庭的な理由」で35.4%。次いで、「自立したいと考えていたため」が32.2%を占め、家庭環境やプライバシーを重視している様子が伺えます。
3. 親との連絡方法
同居していない親との連絡方法に関しては、「電話」が75.8%で最も多く、次いで「LINE」が36.9%、その後にメールやSMSと続きました。特に驚くべきは、高齢者世代もデジタルツールを利用している点です。連絡頻度も比較的高く、月1回以上連絡を取り合っている家庭が多いことが分かりました。
4. 親への心配
同居していない親についての心配事では、68.4%が「病気やケガ」と答え、次に「防犯」や「特殊詐欺への対応」など、親の安全に対する懸念が多く見られました。これらの結果は、最近の犯罪報道が影響している可能性があると考えられます。
5. 今後の同居の検討状況
「親との同居を全く考えていない」という回答が46.3%、さらに「あまり考えていない」と答えた人も38.3%を占め、約8割が同居を想定していないことが判明しました。
6. 同居を望まない理由
同居を考えていない理由では、「自分が同居を望んでいない」が33.8%で最高でした。また、「親が同居を望んでいない」という意見も21.3%、さらに「親が元気だから」との理由も19.5%と、両者の意見が一致していることも興味深い点です。
7. 現在同居している世代の声
同居している人にその理由を尋ねたところ、60.2%が「元々実家に住んでいる」ことを挙げ、次いで親の健康状態が悪化したためという回答が得られました。同居中の悩みとしては、「生活スペースの制限」が最も多かったのですが、プライバシーの確保や生活リズムの違いからくるストレスも少なくありません。
8. 将来に向けた相談
将来に関する相談については「相続」や「介護」を話題にする人が多い一方で、日常生活のサポートに関する対話はあまり行われていないという結果が出ました。これは、生活設計や日常的な支援に関する情報共有が必要だということを示唆しています。
サポートサービスのニーズ
調査の最後では、「病院やスーパーへの送迎」が最も必要と感じられているサービスで、次いで「家事の手伝い」や「不用品処理」との結果に。これらの結果から、高齢者の支援が急務であることが再確認されました。
結論
この調査は、後期高齢者の親を持つ子ども世代がどのように親との関係を築いているのか、また将来の生活についてどう考えているのかを示しており、今後の家庭内でのサポート体制を考える上での有益なデータとなりました。親子間のコミュニケーションと支援を充実させることが、今後ますます重要になっていくことでしょう。