Classroom Adventureが偽・誤情報対策へ新たな一歩
株式会社Classroom Adventureは、総務省の「インターネット上の偽・誤情報等への対策技術の開発・実証事業」に採択されました。本事業では、偽・誤情報サンドボックスを活用した実践的なゲーム型プレバンキング技術の開発が行われます。この取り組みは、令和8年3月まで実施され、急速に普及している生成AIによる偽・誤情報の脅威に対抗すべく、利用者の認知抵抗力を高める教育技術の開発を目指しています。
偽・誤情報への警鐘
昨今、生成AIの進化により、誰でも簡単に高品質な偽・誤情報を生成できる環境が整っています。これにより、特に災害時や選挙時にSNS上での偽情報拡散が社会に深刻な混乱をもたらすリスクが増大しています。このため、従来の対応方法だけではなく、より効果的な予防策が求められています。
プレバンキング技術の導入
本技術では「プレバンキング」、つまり事前暴露のアプローチを採用。利用者が偽・誤情報に接触する前に心理的免疫を形成させ、能動的な学習体験を通じて情報リテラシーを強化することを目指します。これは、受動的に情報を受け取るだけでなく、自ら情報を生成する側の視点を体験することで、偽・誤情報の生成メカニズムを理解させるものです。
偽・誤情報サンドボックスの実現
開発されるシステムは、最新のGENERATIVE AI技術を駆使し、利用者が安全な環境で偽・誤情報を模擬体験できるを提供します。この「偽・誤情報サンドボックス」では、実際に偽情報を生成することで、その存在意義や心理的操作を深く理解できます。ゲーム的な要素が取り入れられたこの学習体験は、楽しみながらも実践的な知識を身に付けることができる場となります。
国際的な監修体制
この技術開発には、日本をはじめ台湾やインドネシアからの第一人者たちが協力。日本側からは株式会社メディアコラボの古田氏や令和メディア研究所の下村氏が参画し、台湾ファクトチェックセンターのHui-An Ho氏、インドネシアからはMAFINDOやAJIの代表も加わります。さらに、香港大学の鍛冶本氏も国際的な専門知識を提供しており、地域を超えた監修体制が整っています。
今後の展望
このプロジェクトを通じて開発された技術は、国内外の教育機関や企業、自治体などに導入が進められていきます。そして、偽・誤情報の抑止と情報リテラシーの向上を図り、民主的な社会の基盤強化に貢献することを目指しています。特に選挙期間や災害時における素早い対策を講じることで、社会全体のレジリエンスを向上させたいと考えています。
Classroom Adventureの背景
株式会社Classroom Adventureは、現役の慶應義塾大学の学生たちによって設立されたEdtechスタートアップです。同社が提供する情報リテラシープログラム「レイのブログ」は、世界中で20,000人以上が体験しており、2024年には米Google社からファクトチェック世界大会「Youth Verification Challenge」を引き継いで主催予定です。また、2024年には朝日新聞社のSDGs Action! Awardsグランプリや東京の最大級のスタートアップコンテストでも最優秀賞に輝いています。遊びながら学べる「楽しすぎる」教育の実現を目指し、今後も展開していくでしょう。