岐阜市に本拠を置く株式会社タナックは、獣医師や愛玩動物看護師のための新たなシミュレーター「VetiSkill(ベティスキル)」を開発し、犬のヘルニア手術などの技術習得をサポートすると発表しました。タナックはすでに15年以上にわたり、医療分野向けの手術練習用シミュレーターを製造しており、その専門的なノウハウを活かしてこの製品を製作しています。
開発背景
「VetiSkill」は、動物医療の現場で求められる高度な手技を練習できる環境を提供することを目的に開発されました。このシミュレーターを使うことで、獣医師や医療従事者は臨床現場に近い状況で手技を手軽に習得することが可能です。個人の練習はもちろん、院内研修やハンズオンセミナーでも幅広く活用ができ、多様なニーズに応える設計となっています。
製品詳細
新しく発売されるシミュレーターには、犬の腰椎ヘルニアと膝関節に特化した二つのモデルが含まれています。
犬腰椎ヘルニア埋没モデル
このモデルは、椎間板ヘルニアの手術技術を学ぶために設計されています。椎間板ヘルニアは、加齢や外傷、遺伝が原因で脊椎が変性し、神経を圧迫する病気で、慢性的な痛みを伴います。外科手術による治療は広まっているものの、獣医師には高度な技量が求められます。モデル内には模擬骨や神経、ヘルニアがリアルに再現されており、切開手術や内視鏡下手術などの技術を練習することができます。
犬膝関節モデル
犬の膝関節モデルは、前十字靭帯断裂や膝蓋骨脱臼などの手術手技を学ぶためのものです。犬は前十字靭帯が断裂することが多く、これにより膝が不安定になり運動障害を引き起こします。このモデルを使用することで、TPLO手術技術を習得することができ、特に小型犬に多い膝蓋骨脱臼の手技も実践できます。
購入情報
「VetiSkill」は、2025年1月22日より販売が開始されます。購入はタナックの公式ウェブサイトを通じて可能で、動物医療における技術向上を目指すすべての医療従事者にとって貴重なアイテムとなるでしょう。詳細は公式ウェブサイトでご確認ください:
タナック公式サイト
会社情報
タナックは、シリコーンやゲル素材の加工及び販売を行う企業で、岐阜市に本社を置いています。代表取締役の棚橋一成氏は、動物医療分野の発展に寄与する新たな製品の開発を次々と手掛けています。
これからもタナックの動きには目が離せません。動物医療の進化を支えるこのシミュレーターが、獣医師たちの技術向上に役立つことを期待しています。