「信頼で世界をつなぐ」JICA国際協力賞が創設!
独立行政法人国際協力機構(JICA)は、1975年から開発途上国の発展に貢献した個人・団体を表彰してきました。今年度から、表彰の名称を「JICA国際協力賞」に改め、外部委員による選考制を導入。第1回となる今回は、都市開発、教育支援、人材育成の分野で傑出した成果を上げた3団体が受賞しました。
11月8日に行われた授賞式では、田中明彦JICA理事長が「受賞者の方々は、JICAのビジョンである『信頼で世界をつなぐ』を体現する活動を行ってきた」と受賞者の功績を称えました。また、世界が直面する複合的な危機を克服し、人々の安全保障を守るための開発協力の重要性を強調しました。
各受賞団体が語る、国際協力への熱い想い
中南米都市・地域計画家協会
中南米都市・地域計画家協会会長のアウグスト・ピント・カリージョ氏は、2000年に帯広でJICAの研修に参加したのがきっかけで、日本の都市計画の知見を深め、中南米地域にネットワークを広げてきました。
「日本の経験を中南米地域に広めるという目標を達成しました。人に優しく、持続可能でスマートな都市のあり方について考え、人々の生活向上のために活動を続けたいです」と、今後の抱負を語りました。
NGOスランガニ
NGOスランガニ代表の馬場繁子氏は、37年に渡りスリランカで子どもたちの成長を支援してきました。
「スリランカの子どもたちが成長できる環境を整えることが大人の役割です。幼稚園や病院、貧困家庭の子どもたち、障害者の子どもたちを対象に、社会とつながり、自立することを支援してきました。これからも多くのスタッフや支援者たちとともに、子どもたちやスリランカの未来のために希望を広げていきたいです」と、熱い想いを語りました。
国立大学法人宮崎大学
国立大学法人宮崎大学は、バングラデシュの若手ICT人材育成プロジェクト「B-JET」を推進しています。
鮫島学長は「バングラデシュの若く優秀なICT人材の雇用促進と、宮崎のICT人材不足の解消を目指すwin-winのプロジェクトです。コロナ禍でもパートナーと協力し、地域の国際化や多文化共生の機運醸成に貢献できたことを光栄に思います」と、プロジェクトへの自信と喜びを語りました。
日本の国際協力の未来を担う、新たな一歩
今回の受賞は、開発途上国と日本の未来を拓くための、新たな一歩となるでしょう。受賞者たちの活動は、国際協力の重要性を改めて認識させ、私たち一人ひとりが、世界への貢献を考えるきっかけを与えてくれます。
JICA国際協力賞は、これからも開発途上国と日本の架け橋となり、より良い未来を創造していくために重要な役割を果たしていくことでしょう。