コニカミノルタが教育現場に新たな風を
コニカミノルタジャパンが、外国人や障がい者などの多様な背景を持つ人々と共生する社会の実現を目指して、2025年4月より多言語通訳サービス「KOTOBAL」を教育現場に本格導入することを発表しました。この施策によって、外国人児童生徒やその保護者、教職員のコミュニケーションが円滑になり、子どもたちが安心して学べる環境が整うことが期待されています。
現在、大阪市の全小中学校および義務教育学校や、板橋区のいくつかの小中学校では既に「KOTOBAL」の活用が始まっています。このサービスは、言語の壁を乗り越えるための強力なツールとして、多くの学校で利用されることになるでしょう。
日本の教育現場における多言語化の必要性
令和6年8月に文部科学省が発表した調査によると、日本語指導を必要とする児童生徒は約6.9万人に達し、過去10年間で1.9倍に増加しています。こうした増加は、国籍の多様化や地域社会の集住化、散在化などを招き、多くの教育現場で通訳者や日本語指導員への負担が増しています。その結果、教職員が抱える負担や外国人児童生徒の孤立感は深刻な課題とされています。
コニカミノルタは、この状況に対応すべく「KOTOBAL」を通じて、教育現場の急務である言語サポートの提供を開始します。このサービスは、32言語に対応するAI通訳とオペレーターによるビデオ通訳を組み合わせたハイブリッド型で、リアルタイムのコミュニケーションを可能にします。
KOTOBALによる教育現場での利点
1.
リアルタイムの双方向コミュニケーション
「KOTOBAL」は、授業中の内容をGIGAスクール端末上でリアルタイムに翻訳し、児童生徒が先生や友達との間で自由にコミュニケーションを取れるようサポートします。生徒間で話す言語をAIが判別し、自動翻訳するため、対話が途切れることなく学びが続けられるのが特徴です。これにより、外国人児童生徒も安心して学校生活を送れるようになり、精神的な負担を軽減します。
2.
教職員の負担軽減
保護者面談などで通訳者を手配することが増えている中、教職員はスケジュール調整に多くの時間を費やすことが日常となっています。「KOTOBAL」は、特別な事前調整なしで24時間365日、ビデオ通訳を利用できるため、教職員の負担を大幅に減少させることが可能です。これにより、保護者とのコミュニケーションがスムーズになり、教師が本来の業務に集中できる環境が整います。
「KOTOBAL」の今後
「KOTOBAL」は、単に通訳機能を提供するだけではなく、教育の現場が直面する言語の壁を取り除くために設計されています。AIによる自動言語判別機能を利用することで、会話の流れが途切れることなく、スムーズにコミュニケーションを進めることが可能になります。
具体的には、リアルタイムの音声通訳機能が備わっており、発言内容に応じて自動で言語を切り替えることができるため、手動の操作なしでスムーズな意思疎通を実現します。こうした先進的な技術を用いることで、「KOTOBAL」は教育現場におけるコミュニケーションの課題を解決し、全ての児童生徒に平等な学びの機会を提供します。
今後も「KOTOBAL」は、多様性を尊重する教育環境の構築に寄与し、学校生活をより豊かにするための重要な役割を果たしていくことでしょう。