2025年物流業界のトレンドと2026年の展望
株式会社Hacobuは、物流業務改善メディア「ハコブログ」にて、2025年の年アクセスランキングTOP10を発表しました。このランキングでは、上位10記事のうち6件が法規制や法改正に関連しており、物流業界における法令遵守の重要性が際立っています。特に「取引適正化法(取適法)」の施行が2026年に控えており、運送契約書面の作成が必須となることから、多くの荷主企業は法対応に苦慮しています。このような状況の中、2025年における業界のキーワードや2026年のトレンド予測が非常に重要になってきます。
2025年のキーキーワード
1. 取適法(下請法)への荷主の対応
今後施行される取適法は、運送委託契約も対象となるため、運賃や作業内容、支払条件を明示することが求められます。この法律が施行されることで取引の透明性が向上し、荷主企業は法令遵守の重要性を再認識せざるを得ません。さらに、2025年には公正取引委員会からの下請法違反に対する勧告もあり、企業の法令遵守の取り組みが一層注目されています。
2. 「2026年問題」への準備が本格化
深刻化するドライバー不足への対策として、2025年4月に改正物流効率化法が施行されました。この法律によって、荷主企業は荷待ちや荷役時間の短縮を求められます。また、特定荷主には、中長期計画の作成と定期報告が法的義務として課せられるため、多くの企業が具体的な対応策に注目しています。
3. 法対応を物流改善の「好機」に
法規制をただの負担として捉えるのではなく、物流改革のチャンスとする企業が増加しています。例えば、トラック予約サービスの導入や共同配送、物流ネットワークの再構築など、より効率的な物流体制への関心が高まっています。
2026年のトレンド予測
予測① 物流を「経営アジェンダ」として捉える
2026年には、物流が企業の経営課題として重要視されることが予測されています。法規制の強化やコスト上昇が避けられない中、物流戦略が競争力のカギを握ることになるでしょう。
予測② 物流コストの上昇は不可避
燃料費の高騰やドライバー不足が影響し、物流コストの上昇は継続します。企業は自社の物流実態を把握し、改善提案を行うことで、運賃の適正化を図る必要があります。
予測③ 生成AIの活用
生成AIを導入する企業が増加する見込みです。データ分析や需要予測、配車最適化などにAIを活用することで、業務効率が向上し、運送事業者からの評価も高まるでしょう。逆に、AIを活用しない企業は生産性の低下に苦しむ可能性があります。
Hacobuの展望
HacobuのStrategy Director、小林一幸氏は、2026年が企業の物流体制の見直しの重要な転換点であると述べています。企業は物流規制への対応を契機として、自らの物流戦略を再構築することが求められます。その上で、持続可能な物流体制の構築が競争力の源泉となることが期待されます。
このように、物流業界は今後も法規制や新技術の影響を受けながら変化を続けていくでしょう。企業はこの動向を注視し、柔軟に対応していくことが必要です。Hacobuは、業界の進展に向けて、引き続き情報を発信していく姿勢を崩しません。