ファストドクター、呼吸器内科のオンライン診療を開始
ファストドクター株式会社が、オンライン診療として新たに呼吸器内科のサービスを提供することを発表しました。これは、咳や息切れといった慢性の症状に悩む患者に、地域性や生活環境に制約されることなく医療を受けられる新しい選択肢を提供するものです。
オンライン診療の背景
過去数年間、ファストドクターでは、感染症や精神疾患、生活習慣病のオンライン診療を展開してきました。今回、新たに呼吸器内科を加えることで、慢性呼吸器疾患を持つ患者に対しても「長期的かつ一貫した治療」を実現し、ビジョンである「1億人のかかりつけ機能を担う」挑戦を後押しします。
主要な診療内容
呼吸器内科では、以下のような慢性的な症状を対象に診療を行います。
- - 喘息症状
- - 息切れ
- - 喘鳴
- - 長引く咳
- - 慢性閉塞性肺疾患(COPD)
診療は、専門の医師により行われ、まずは症状や既往歴を確認するための相談が行われます。緊急性が高い場合やオンライン診療が難しいと判断される場合には、対面診療へと案内されます。この際、診療前相談の費用は発生しません。
利用可能時間と費用
呼吸器内科のオンライン診療は、365日、午前7時から午後9時に利用可能です。診察費用は、保険診療の自己負担分に加えてシステム利用料がかかります。初診は330円、再診は880円とリーズナブルな価格設定になっていますが、処方された薬によっては追加費用がかかる可能性もあります。
利用シーン
オンライン診療の新サービスは、特に以下のようなケースでの利用を想定しています。
- - 咳や息切れの症状に対して、医師に対面受診の必要性を相談したい。
- - 仕事や育児で忙しく、通院が難しいが、定期的な吸入薬の処方を確保したい。
- - 夜間や休日に急に症状が悪化した場合、迅速に医師のアドバイスを受けたい。
- - 離島や中山間地域に住んでおり、専門の医療機関にアクセスが困難である。
診療体制と安全性
ファストドクターの呼吸器内科は、約50名の経験豊富な医師によって構成されています。診療は、日本喘息学会のガイドラインに沿って行われ、必要に応じて地域の医療機関と協力しています。患者の安全性を重要視し、画像診断や身体チェックが必要な際には、スムーズに対面診療につなぐ体制が整っています。
医学博士の監修も
今回のオンライン診療サービスは、医学博士の木村英晴氏によって監修されています。彼は、日本呼吸器学会の専門医であり、診療の質を保証するための経験を持っています。彼は「オンライン診療は、どこからでも専門医にアクセスできる便利な手段であり、患者にとっても大きな助けとなることを期待しています」とコメントしました。
社会的なニーズと今後の展望
厚生労働省が示す指針によると、オンライン診療の導入は患者と医師双方にとって利便性が高く、特に慢性疾患の患者にとって治療の継続性が向上します。仕事や生活環境から通院が難しい多くの患者に対して適切な医療を届けることが急務です。
ファストドクターは、2040年に予想される医療需要のピークに向けて、時間や場所にとらわれない医療サービスを推進し、医療資源を効率的に運用する新しい「バーチャルファーストケア」モデルを提案しています。これにより、急性期から慢性期までの切れ目ない医療を実現し、安心・安全な医療環境を提供することが目標です。
最後に
呼吸器内科のオンライン診療開始は、ファストドクターが地域医療の補完と患者医療アクセスの向上に寄与する一歩です。今後も様々な診療領域の拡張を進め、より多くの患者に支持される医療体制を築いていくことを目指しています。