地方女性がPCスキルを学ぶ背後での現実
近年、地方の女性たちがパソコンスキルを習得しようとする中で、知られざる課題が浮き彫りになっています。それは、「パソコンの貸出」に関するもので、スキルを学ぶ際の大きな障壁となっています。2024年春から夏にかけて、気仙沼市で開催された「デジタルカレッジUP」プログラムでは、30名の地域女性が参加し、彼女たちのニーズや課題を明らかにしました。
研修の二つのハードル
受講者たちが直面した課題は大きく分けて二つありました。一つ目は研修に参加するためのハードルで、これは主に金銭的負担や場所の問題が影響しています。そして二つ目は、研修が始まった後に継続する際のハードルです。この実施報告書には、受講生からの回答で「参加しやすい受講料」や「Wi-Fi環境」、「パソコンの無料貸出」が大きな支えになったという意見が多く寄せられています。
実際、昨年行われた気仙沼市の「女性の仕事・生活・デジタルスキルに関する調査」によれば、926人中46.9%は自分のパソコンを持っているものの、これに依存し続けるのが難しい状況が見えてきました。多くの女性が「パソコン無貸出し」がなければ、研修に参加することすら困難であると感じています。
課題解決のための取り組み
この課題に取り組むため、NPO法人ウィメンズアイは、近隣企業から寄付された中古ノートパソコンを活用しました。これらのパソコンはまさにリサイクル法に則って廃棄されるものでしたが、地域女性のためのスキル向上に活用される初めての試みとして、大きな反響を呼びました。受講生のうち53.3%がこの制度を利用し、3ヶ月間の無料貸出しを受けることで、研修に参加する大きな道が開かれました。
NPO法人ウィメンズアイについて
NPO法人ウィメンズアイは、2011年から宮城県北部の三陸沿岸にて活動を開始し、特に地域女性のエンパワーメントを目指して多くの講座を開催してきました。東日本大震災の影響で、多くの女性が地域問題に直面しており、彼女たちが自らの人生を選択し、自由に生きられるようになることが求められています。
現在も、企業や自治体とのパートナーシップを通じて、社会問題に対応するためのしくみ作りを進めています。これからもこうした活動を続けていくことで、地域の女性たちがより多くの機会を得て、さらなる成長を遂げられるよう支援していくことが大切です。
お問い合わせ先
特定非営利活動法人ウィメンズアイ
(石本、米倉)
E-mail:
[email protected]
電話:0226-25-9517
〒988-0474 宮城県本吉郡南三陸町歌津字田表35-1