トロデルビの新展開
2025-06-04 11:05:20

トロデルビが示した進展:再発転移TNBCの新たな治療選択肢の可能性

トロデルビが示した進展:再発転移TNBCの新たな治療選択肢の可能性



はじめに


近年、トリプルネガティブ乳がん(TNBC)の治療の進展に注目が集まっています。特に、米国のギリアド・サイエンシズが開発したトロデルビ(一般名:サシツズマブ ゴビテカン)が、その有望な効果を示し、多くの期待を集めています。今回は、トロデルビを用いた最新の臨床試験結果について解説します。

トロデルビとは


トロデルビは、TROP-2を標的とした抗体薬物複合体(ADC)で、乳がんおよび肺がんを含む多様ながんに対する新しい治療法です。特に転移・再発のTNBCにおいて、これまでの化学療法よりもさらなる生存期間の改善をもたらす可能性があります。最近発表されたASCENT-03試験の結果は、特に注目に値します。

ASCENT-03試験の結果


2025年に開催予定の米国臨床腫瘍学会で発表されるASCENT-03試験は、PD-1/PD-L1阻害剤による治療が適応とならない再発・転移のTNBC患者を対象にした大規模な研究です。試験の結果、トロデルビは従来の化学療法に比べて、無増悪生存期間(PFS)の改善を示しました。この結果は、転移・再発のTNBC患者にとって、選択肢が非常に限られる現状を打破する可能性を秘めています。

証言


試験を担当したハビエル・コルテス医師は、「TNBCと診断された患者さんの多くは次の治療を受けることができない。そのため、早急な新しい治療法の開発が求められています」と話しています。彼は、既存の化学療法と比較して、トロデルビの新たな治療法が重要な役割を果たすことを期待しています。

治療の重要性


TNBCは約15%の乳がん患者に見られ、通常の治療では効果が薄く、進行が早いことから、非常に悪性度が高いとされています。通常の乳がんに比べても再発や転移のリスクが高く、5年生存率も低いのが現状です。このような状況において新たな治療法の開発は非常に重要です。

今後の展望


ASCENT-03試験は、さらなるデータを集め、治療効果の持続性や安全性を確認するために続けられます。すでにトロデルビは50カ国で使用実績がありますが、今後の研究でその通りを国内外で確認し、規制当局と議論を進めることが予定されています。

終わりに


トロデルビの進展は、再発・転移のTNBC患者にとって新しい希望をもたらすかもしれません。今後の研究や臨床結果に期待が寄せられています。乳がん患者への新たな治療法がどのように広がっていくのか、目が離せません。

会社情報

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ギリアド・サイエンシズ
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