MaaS Tech Japan、ドバイでの研究発表
株式会社MaaS Tech Japanは、2024年9月にアラブ首長国連邦のドバイで開催された第30回ITS(Intelligent Transport Systems)世界会議において、「日本の地域公共交通における供給側の資源評価の現況分析」という研究内容を発表しました。この研究は、名古屋大学の特任助教である早内玄氏との共同研究であり、日本各地の地域交通課題の整理と分析を通じて、国内外の視点から評価を受けることを目指しています。
日本では高齢化が進み、特に地方では交通サービスに必要な予算や人手が不足しており、住民のニーズは高いものの路線縮小やサービス廃止の動きが広まっています。このような課題に対処するため、MaaS Tech Japanは、移動社会を支えるためにデータを活用した地域公共交通計画の策定がますます重要であると考えています。
MaaS Tech Japanは、「100年先の理想的な移動社会の基盤を構築し、移動社会を高みにシフトさせる」というミッションを掲げており、地域行政が直面する交通の課題を解決するためのプロダクトやソリューションを提供しています。この研究もその一環として行われており、早内氏との共同研究には、多くの知見や経験が反映されています。
過去には、2022年にロサンゼルスで行われた第28回ITS世界会議やフィンランドのタンペレで開催された第3回ICoMaaSでも研究発表が行われ、本研究の今回の発表は3回目となります。
共同研究では、地域公共交通計画における人的資源がどのように評価されているかが焦点となっています。評価に関するデータを約900件の交通計画から収集し、570件をフィルタリングした後、詳細に分析しました。その結果、3割未満の235件(27.3%)で人的資源について定量的に評価されていることが明らかになりました。このことは、評価手法やデータの取得元に改善の余地があることを示唆しています。
今回の発表では、質疑応答を通じて、新しいモビリティサービスに対する考え方や、資源評価の重要性についても意見が交わされました。MaaS Tech Japanは、自社のプラットフォームを通じて異なる事業者間のデータを統合し、地域の移動課題に対して住民の声を取り入れたサービス改善を進めています。
また、現在は自治体向けの地域公共交通計画を効率的に作成するためのデータ基盤やアプリの開発を進めており、地域全体で持続可能な移動のエコシステム構築に向けて取り組んでいます。今回の研究発表を受け、さらなるソリューション開発に期待が寄せられています。
早内玄のプロフィール
早内玄氏は、名古屋大学未来社会創造機構モビリティ社会研究所の特任助教として、地域の次世代モビリティの研究に従事しています。博士号を取得後は、文科省JSTによるプロジェクトに参画し、地域交通の発展に貢献しています。彼の研究は、公共交通の未来を支える重要な要素となっています。
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