新たな名称で省エネリノベーションを推進
一般社団法人リノベーション協議会は、2023年までの活動を経て、マンション専有部の省エネリノベーション基準を示す「R1住宅エコ」の名称を「エコキューブ」に変更することを発表しました。この新名称は、2025年2月下旬からの運用を予定しています。これにより、より手に取りやすく、わかりやすい基準名として省エネリノベーションの普及を目指します。
名称変更の背景
リノベーション協議会では、2022年の設立当初から「R1住宅エコ」という基準名で省エネリノベーションを推進してきました。しかし、市場や消費者からは、より理解しやすい名称の要望が高まりました。そのため、会員による公募を経て、「エコキューブ」が新たな名称に選定されました。
省エネへの意識が高まる中、特に2024年4月から実施される「省エネ性能表示制度」の導入が後押しになっています。この制度の施行に伴い、新築住宅には省エネ性能を表示することが義務付けられるため、これまで以上に省エネ基準の重要性が増すと考えられます。
エコキューブとは
新名称である「エコキューブ」は、従来の「R1住宅エコ」基準の中から、省エネ性能が高い基準を対象にしています。この基準では、リノベーションの際に求められる「省エネ基準適合住宅相当」の性能を超えることが求められます。
その際、消費者にも分かりやすく省エネの効果を示すために「省エネレポート」を提供することを計画しています。これにより、業者は消費者に対して省エネリノベーションのメリットをしっかりと伝えることができます。このような取り組みを通じてエコキューブの魅力が増し、普及が進むことを期待しています。
R1住宅とエコキューブの関係
「R1住宅」は、リノベーション協議会が策定した基準で、区分所有マンション専有部における品質基準の適合を保証します。この基準に基づくリノベーション住宅は、重要なインフラとしての給排水管や電気・ガス設備に関する検査基準が設けられ、最低でも2年の保証が義務付けられます。
「エコキューブ」は、この「R1住宅」の省エネ性能の要件を強化したものです。これにより、リノベーション後の住宅がより高い省エネ性能と優れた品質を併せ持つことが期待されます。
リノベーション協議会の役割
リノベーション協議会は、2009年に設立された団体で、現在は774社を超える会員が加盟しています。彼らは、適合リノベーション住宅の統一規格を設定し、既存住宅の流通を活性化させることを目指しています。また、2022年より導入された「リノベーションコーディネーター資格制度」を通じて、スキルを持った人材の育成も進めています。
リノベーション協議会は、今後も社会のニーズに応えた価値のあるリノベーション住宅の普及に貢献し、持続可能で豊かな生活の実現を目指して活動していくことでしょう。