大和証券グループ、耐量子計算機暗号技術の実証を開始
株式会社大和証券グループ本社の傘下にある大和証券と大和総研は、日本電気株式会社(NEC)およびF5ネットワークスジャパン合同会社と協業し、量子コンピュータ時代に適応した耐量子計算機暗号(PQC)技術の概念実証をスタートしました。この取り組みの目的は、大和証券のオンラインサービスにおけるインターネット通信のセキュリティを強化し、将来的な量子コンピュータの脅威に対処する準備を整えることにあります。
PQCの重要性
近年の量子コンピュータ開発の進展に伴い、既存の公開鍵暗号やデジタル署名の安全性が危うくなる可能性が指摘されています。このため、金融機関や情報を多く扱う企業においては、耐量子計算機暗号の早期導入が急務とされています。大和証券と大和総研は、NECやF5ネットワークスといった専門家と手を組むことで、証券業界におけるPQCの実用化を目指しています。
実証の概要
この実証は、以下のような内容で進行されます:
- - 対象システム:オンラインサービスの開発環境
- - 実施期間:2025年9月から2026年3月(予定)
- - 検証内容:大和証券のオンラインサービスにPQC技術を適用し、実際のインターネット通信における性能を評価
- - 検証項目:通信時間への影響、既存処理との互換性、安定性の評価など
これらの検証結果は、最終的にホワイトペーパーとして公開され、金融業界全体でのPQC対応を促進するための参考資料として活用される予定です。
各社の役割
大和証券グループ、および協力企業のNECとF5ネットワークスは、それぞれの専門知識を活かしながら、PQCの正式導入に向けた方針を策定します。これにより、量子コンピュータによる新たなセキュリティリスクに対策を講じつつ、安全なシステム基盤の構築に努めていく方針です。
この取り組みが成功すれば、金融業界のパイオニアとしての役割が一段と確固たるものになるでしょう。量子コンピュータの実用化が進む中で、大和証券がどのように市場の期待に応えていくのか、注目が集まります。