横浜市におけるがんの早期発見に向けた新たな取り組み
日本では、生涯にがんを患う可能性がある人が増加しており、横浜市の調査によると、市民の約8割が自身または身近な人ががんを経験したことがあると回答しています。この現状を踏まえて、同市はがんの早期発見を促進するための新しい制度を導入することを決定しました。
子宮頸がん検診におけるHPV検査の導入
横浜市は、来年の1月から全国でも初めてとなる「HPV検査単独法」を利用した子宮頸がん検診を開始します。この制度は特に30代から50代の女性を対象に、毎回の検査を簡略化し、負担を軽減することを目指しています。
従来の検査では、20歳以上の女性が2年に1回、細胞を採取して異常を調べていましたが、今後は30歳から60歳までの方は5年に1回の頻度でHPV検査を受けることが可能になります。一方、20歳から29歳、61歳以上の方については、引き続き2年ごとの細胞診が適用されます。
精密検査の助成制度
さらに、70歳以上の方には、がん検診で精密検査が必要とされた場合の検査費用を助成する制度が新設されます。これにより健康管理が必要な高齢者への支援が強化されることになります。対象者は、昭和30年4月1日以前に生まれ、がん検診を受けた結果、精密検査を受けるように指示を受けた方々です。
検査機関の一括検索サイトの開設
横浜市は、年間におよそ1400の医療機関で実施されるがん検診の情報を集約した新しい検索サイトを11月1日にオープンしました。このサイトでは、年齢や性別、土日夜間の受診可否などの条件で医療機関を効率的に検索することができ、利便性が向上します。
遺伝性乳がん卵巣がん症候群検査の助成
また「遺伝性乳がん卵巣がん症候群(HBOC)」に関する遺伝子検査やカウンセリングの助成も開始されます。特定の遺伝子を持つ方々に対し、がんに対するリスクをしっかりと把握してもらうための取り組みで、これにより個々の健康管理がさらに強化されることが期待されています。対象者には、家系にHBOCの人がいる横浜市在住の18歳から69歳までの方が挙げられ、助成は自費診療で受けた場合に適用されます。
これらの新しい制度は、横浜市民がより安全に健康を管理し、がんの早期発見に寄与することを目的としています。市の取り組みを通じて、自分自身や大切な人を守るための大切な一歩として、是非これらの制度を活用していきましょう。