勝浦市でスタートした新しい地域乗り合い交通サービス「ノッカルかつうら」

マイカー乗り合い公共交通サービス「ノッカルかつうら」が開始

千葉県勝浦市にて、革新的なマイカー乗り合い公共交通サービス「ノッカルかつうら」の実証運行が2025年3月26日から始まります。運営は株式会社博報堂が行い、この取り組みはデジタル田園都市国家構想の交付金を受けています。これは地域住民の利便性向上を目的とした新たな交通ソリューションです。

交通サービスの背景

近年、日本の多くの地域が直面している高齢化問題は勝浦市においても深刻であり、特に自家用車を持たない高齢の方々にとっては、移動手段が限られている現状です。運転免許証を返納する高齢者の増加に伴い、公共交通機関への依存度が高まっています。これまで勝浦市ではデマンドタクシーの導入など、地域住民の利便性を考慮した交通施策を実施してきましたが、今後はさらに一歩進んで、自家用車を利用した乗り合いサービスを導入することになりました。

ノッカルかつうらの特徴

「ノッカルかつうら」は、勝浦市が運行の主体となり、最初は総野地区の特定地域にて実証運行を行います。このサービスは、勝浦市が認定したドライバーと乗客をすばやく結びつけることを目的としており、博報堂DYグループが開発したシステムを用いてマッチングを行います。各ドライバーは自家用車に乗せた利用者を目的地に送り届けるもので、非常に身近な形での共助型MaaS（Mobility as a Service）が実現します。

利用者は、LINEや電話を使い簡単に予約をすることができ、運行が行われる停留所は、バス停など既存の公共交通のインフラを利用。これにより、高齢者を含むすべての住民が負担なく利用できるよう設計されています。

利用方法と料金

「ノッカルかつうら」は、総野地区と勝浦駅周辺を結ぶ完全予約制の乗合交通サービスです。ドライバーは地域住民であり、助け合いの精神で運営されています。

- 実証実験開始日：2025年3月26日（水）～
- 運行エリア：蟹田・松野・中倉・市野川・花里地域
- 利用方法：会員登録制
- 予約方法：前日17時までに電話またはLINEで予約が必要
- 利用料金：実証期間中は無料（利用チケット1枚/回）ですが、利用チケットは会員登録後に市役所から郵送されます。

各者の役割

このサービスの運営は複数の企業が関与しています。勝浦市は運行主体として、運行管理や予約管理、ドライバーと利用者の募集を行い、博報堂はサービスの設計やコミュニケーションデザインに貢献します。また、博報堂テクノロジーズはシステムの開発と運用を担っています。

「ノッカルかつうら」は、地域住民が快適で便利な移動手段を得られるように設計された持続可能な交通体系の実現を目指しており、今後の本格運行に向けた期待が寄せられています。