治験プロセスの革新
2026-05-25 13:08:22

リアルワールドデータを活用した治験プロセスの革新を目指す新たな取り組み

はじめに



近年、製薬業界における治験や臨床試験の効率化は重要な課題となっています。特に、患者スクリーニング業務は、医師や治験コーディネーター(CRC)が手作業で行うことが多く、時間と労力を必要とするため迅速な治験の実施を妨げてきました。そんな中、株式会社NTTデータと近畿大学病院が共同で行った革新的な取り組みが注目されています。これは、リアルワールドデータを活用して治験候補患者を効率的に抽出する技術検証の成果です。

取り組みの背景



近畿大学病院が参加する「千年カルテ」において蓄積された電子カルテデータを活用するこの取り組みは、治験が円滑に進むために必要な患者の迅速な組み入れを実現することを目指しています。製薬企業や医療機関が直面する課題である、適格基準を満たす患者の選定に対する時間的・業務的な負担を軽減することが期待されています。従来は医師やCRCがカルテを確認しながらスクリーニングを行っていましたが、この新技術により機械的かつ迅速な方法でデータに基づく抽出が可能となることが示されました。

取り組みの詳細



本検証では、近畿大学病院が過去に実施した治験の実施計画書を基に、候補患者の適格基準を設定し、蓄積されたデータの分析を行いました。その結果、特定の条件に合致する患者を大幅に絞り込むことができる可能性が明らかとなりました。具体的には、プログラムを用いたデータ解析手法が採用され、リアルワールドデータを効率的に扱うことで患者のスクリーニング業務の負担を大幅に軽減しています。今後の医療現場において、この技術が実運用されることで、治験の開始までの期間短縮に寄与することが期待されます。

本取り組みの意義



治験プロセスの効率化は、単に業務負担を軽減するだけでなく、患者にとっても重要な意味を持ちます。適切な治験機会を提供することで、患者の治療選択肢が増え、医療の質向上につながります。特に、リアルワールドデータの収集・活用は、これまでの医療の枠組みを超えた新しい挑戦とも言えます。このデータを基にした患者スクリーニングの効率化は、製薬企業の治験スピードを向上させるだけでなく、日本国内における治験の国際競争力を高める効果も期待できるでしょう。

今後の展望



NTTデータおよび近畿大学病院の両者は、今回の検証結果を基に、さらなる候補患者抽出プロセスの効率化に向けた取り組みを継続するとしています。実運用の適用性向上を図ると同時に、医療機関や製薬企業との連携によって関連サービスを検討していく姿勢を示しています。また、大規模言語モデル(LLMs)などの新技術を活用し、抽出プロセスのさらなる高度化を目指すことも視野に入れています。

結論



日本の治験環境を大きく改善する可能性を秘めた本取り組み。2026年秋に予定される学会での詳細な発表が非常に楽しみです。近畿大学病院とNTTデータの共同プロジェクトは、医療業界の変革の一助となることが期待されています。

【関連リンク】
近畿大学病院: 医療機関のリンク

会社情報

会社名
学校法人近畿大学
住所
電話番号

トピックス(科学)

【記事の利用について】

タイトルと記事文章は、記事のあるページにリンクを張っていただければ、無料で利用できます。
※画像は、利用できませんのでご注意ください。

【リンクついて】

リンクフリーです。