ゲーミフィケーションでAI活用率1.5倍!キューサイの社内DX推進戦略
健康食品やスキンケア商品で知られるキューサイ株式会社は、企業ミッションである『ウェルエイジングの浸透・普及』を推進するため、独自の取り組みを行っています。その一環として注目されているのが、社内での生成AI活用促進です。
同社は、社員参加型のイベントと、ゲーミフィケーションを取り入れた独自アプリ『Q'sAI冒険門』を開発。この戦略的なアプローチによって、社員の生成AI活用率が約1.5倍に向上するという成果を上げました。
『Q'sAI冒険門』:ゲーム感覚でAIスキルアップ
『Q'sAI冒険門』は、Microsoft 365サービスを活用した、社員向けの生成AI活用促進アプリです。クエスト形式で構成されており、様々な課題をクリアしていくことで、自然と生成AIツールの使用方法を習得できるよう設計されています。
アプリには全25問の課題が用意され、各課題にはプロンプトが紐づいています。これらの課題をクリアすることで、タスク整理、資料作成、データ分析など、業務効率化に繋がるスキルが身につきます。
2024年10月18日から31日にかけて実施されたイベントでは、個人ランキングと部門別ランキングを導入。競争意識を高めることで、社員のAI活用率向上を促進しました。その結果、AI活用率はイベント実施前に比べて21.1%向上し、62.8%に達しました。これは、週に1~2回以上、または月に4回以上の頻度で生成AIを使用する社員の割合を示しています。
社員の喜びの声:業務効率化と新たな可能性
イベントに参加した社員からは、多くのポジティブな声が寄せられています。営業職の松木さんは、生成AIを活用することで、顧客対応のトークスクリプト作成や販売価格の相談などが容易になり、営業活動の効率化に繋がったとコメント。マーケティング職の岩永さんは、プロンプト作成のコツを掴むことで、生成AIからの回答の精度が向上し、ブランディング活動への活用が進んでいると語っています。
ITDX推進部の挑戦:未経験者によるアプリ開発
『Q'sAI冒険門』の開発を担ったのは、キューサイのITDX推進部。入社2年目の藤井さんをはじめ、未経験のメンバーが中心となって開発に取り組んだとのことです。単なる業務アプリに留まらず、ゲーム性を取り入れたユニークな設計や、オリジナル動画の制作など、工夫を凝らした点が、社員のAIへの抵抗感を減らし、活用率向上に貢献したと考えられます。
ウェルエイジング実現に向けたDX戦略
キューサイ株式会社は、企業ビジョンとして「最先端を取り込む」ことを掲げています。今回の取り組みは、そのビジョンを実現するための重要な施策のひとつです。社内DXの推進は、業務効率の向上だけでなく、社員が自身の時間や家族との時間を豊かに過ごすこと、そしてスキルアップの機会を得ることにも繋がるとしています。社員のウェルエイジング実現を支援し、より良い働き方を実現することで、企業全体の成長を目指しているのです。
今後の展望:アプリ第二弾のリリースへ
好調な結果を受けて、ITDX推進部はアプリの第二弾リリースを予定しているとのこと。今後も「まずは楽しくやってみよう」をモットーに、社員が生成AIを業務のパートナーとして活用できるよう、活動を継続していく予定です。
このキューサイの取り組みは、企業が生成AIを効果的に活用し、社員の能力向上と業務効率化を両立させるための、ひとつの成功例と言えるでしょう。