香港のアート展
2019-12-13 10:10:09

香港で進化するアートとテキスタイルの融合 須藤玲子展レポート

香港で進化するアートとテキスタイルの融合 須藤玲子展レポート



香港荃湾に位置するアートセンター、CHATで開催中の「須藤玲子の仕事−NUNOのテキスタイルができるまで」展が話題を呼んでいる。展示会場となるCHATは、紡績工場跡地のリノベーションによって生まれたクリエイティブな空間で、現代アートを体験する場として注目されている。この展覧会では、須藤玲子がデザインディレクターを務めるNUNOのテキスタイルが紹介されている。

まず来場者を迎えるのが、天井から吊るされた約100匹の「Koi Currents(こいのぼり)」だ。この作品は須藤のデザインによるもので、自然光を浴びながら宙に浮かぶ姿は圧巻である。このインスタレーションは、2018年に国立新美術館で展示された際とは異なり、瞬時に新たな表情を見せている。観客は、吹き抜けの空間を心ゆくまで楽しむことができる。

2階にはNUNOの特徴的なテキスタイル8種が展示されている。20メートルにわたるガラスケースの中では、作品のアイデア源や開発過程が一目でわかるよう示されている。須藤の多彩な表現力が詰まった展示内容で、過去にメキシコで出会ったアマテの樹皮から着想を得た作品や、パンチカーペットの製造過程からのインスピレーションが垣間見える。

音と映像を組み合わせたインスタレーションが光るギャラリー1では、テキスタイルがどのように生産されるかが紹介されており、訪れる人々を魅了する。また、ギャラリー2では日本各地の工場での生産風景が映し出され、NUNOのテキスタイルがどのように作られているかを知る貴重な機会を提供している。

展示の最後には、色を排除した白いテキスタイルが並べられ、種々の技法が施された素材が強調されている。来場者はそのサンプルに触れることができ、テキスタイルに込められた質感や技術の違いを直接感じ取ることができる。須藤は「見て」「聞いて」「触れる」という体験を通じて彼女のクリエイションに迫ることを目指している。

現在の香港は緊張状態が続いているが、この展覧会は多くの人々に心の癒しを提供し、創造性を喚起する場として重要な役割を果たしている。CHATの共同ディレクター、張晶晶は、「この展覧会が、困難を乗り越えていく人々にインスピレーションをもたらすことを願っている」と述べており、その言葉には深い思いが込められている。

このすばらしい展示は2020年2月23日まで開催されている。日本のテキスタイルが香港で再評価されるこの機会を、ぜひ多くの人々に体験してほしい。本展はアートとテキスタイルの驚きに満ちており、訪れる人々に新たな視点をもたらしてくれるだろう。

会社情報

会社名
CHAT (Centre for Heritage, Arts and Textile)
住所
45 Pak Tin Par Street, Tsuen Wan, Hong Kong  The Mills
電話番号

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