オリンパス、革新的な生検針を発売
オリンパス株式会社は、主にすい臓がんの診断に利用される「超音波内視鏡下生検術」用の新しいシングルユース生検針「SecureFlex」を日本および欧州で今秋から販売することを発表しました。特に、医療現場でのニーズに応じた設計がなされており、医師たちの意見を反映して開発された本製品は、正確な診断をサポートすることを目的としています。
超音波内視鏡下生検術とは
「超音波内視鏡下生検術」(EUS-FNA)は、口から挿入された超音波内視鏡によって粘膜の下にある組織を観察しながら、消化管壁を通じて針で組織や細胞を採取する検査手法です。この技術により、内視鏡が届かない部分に対してアクセスし、病理診断に必要な組織検体を得ることができます。最近では、この技術を用いたがん診断の重要性が増しています。
新型生検針「SecureFlex」の特長
1.
多面的な針先構造
新型の生検針は「Dual-Beveled Raptor Tip」を採用しており、多角的にカットされた先端が特徴です。これにより、組織の採取が容易になり、細胞構造を保った状態でより多くの検体を得ることが可能です。
2.
柔軟な挿入部
EUS-FNAでは、狙った部位への精度の高い処置が求められます。特にすい臓の膵頭部はアクセスが難しく、本製品はそのような困難な部位でもスムーズに挿入できるよう設計されています。ナイチノール素材の針を使用し、挿入の容易さと少ない力での穿刺を実現しています。
すい臓がん治療の進展とニーズ
近年、すい臓がんの治療法は大きく進展しており、分子標的薬や免疫療法など新しい治療法が次々と登場しています。これらの治療法の効果を見極めるためには、EUS-FNAにより十分な質の高い組織検体が必要です。オリンパスが新しく発表した「SecureFlex」は、このニーズに応えるために開発されました。
発売概要
新型生検針「SecureFlex」は、2025年11月4日から日本で、また、2025年秋には欧州での発売が予定されています。製品の展示は、10月30日から11月2日に神戸ポートピアで開催される「第33回日本消化器関連学会週間(JDDW)」にて行われる予定です。この場で新製品の特長や利点を紹介し、医療現場でどのように役立つかをアピールします。
まとめ
オリンパスは、創業以来100年以上にわたり、医療従事者との連携を通じて病気の早期発見や診断、低侵襲治療を実現するための革新的なソリューションを提供してきました。「SecureFlex」を通じて、さらなる医療の質向上に寄与することを目指します。詳細については、オリンパスの公式サイトやSNSをチェックしてください。