投薬経過の可視化
2025-11-18 11:14:54

エニシアが特許取得、投薬経過を可視化する新システム

エニシアが新たな特許を取得



医療業界に革新をもたらす技術が、エニシア株式会社(本社:京都市左京区)によって実現しました。同社は、電子カルテから得られる薬剤処方情報を自動解析し、投薬量の変化とその時の患者の状態を時系列で可視化する「薬剤投与履歴の視覚化システム」に関する特許を取得しました。この技術は、医療者が治療経過を直感的に理解できる環境を提供し、患者の治療に大きな影響を与えるものです。

1. 開発の背景



慢性疾患や長期的なフォローが必要な診療では、投薬のタイミングや方法を的確に把握することが求められます。しかし、現状の電子カルテは自由記述が多く、時系列での情報整理が難しいという課題があります。これにより、医療者は膨大な情報から必要な記録を探し出す手間が増え、特に投与量の変更時に患者の状態との関連を把握するのが困難でした。このような課題を解消するため、エニシアはこの特許を制定しました。

2. 特許の特長



特長1:投薬量の自動算出と推移の可視化


システムは、電子カルテ内の処方内容を解析し、薬剤ごとの有効成分量を自動算出します。これにより、日毎の投薬量変化が一目で分かるグラフとして表示可能になり、医療者が迅速に治療判断を下せる環境が整います。

特長2:投薬変化点とカルテ記録の自動連携


投薬量に変化があった日をシステムが特定し、その日のカルテ記録を関連づけて表示します。これにより、医療者は変更の背景にある判断や状態を簡単に把握することが可能になります。

特長3:治療経過を視覚化して共有


投薬の推移と症状メモを一つの画面上に表示し、医師、看護師、薬剤師など異なる専門職間でも簡単に治療経過を共有できるようにします。これにより、地域医療や多職種連携がスムーズに行えるようになります。

3. 技術の応用可能性


この視覚化システムにより、紹介診療や地域医療連携において複数の医療者が共通の理解を持つことができるようになり、治療方針の決定やケアプランのスピードが向上します。また、投薬量と症状の対応関係をデータ化することで、リアルワールドデータ分析や副作用研究、予後予測モデルの開発も視野に入ります。

4. エニシアのビジョン


エニシアは、医療情報の利活用に向けた一連のプロセスを特許技術とサービスで支えることを目指しています。患者に関する重要な情報を「守る」「集める」「つなぐ」「そろえる」ことで、医療現場の知識を最大限に活かす姿勢を示しています。

5. 代表の思い


エニシアの代表取締役小東茂夫氏は、医療現場で培われる「知」が十分に活用されていない現状を憂いています。情報を整理し、治療判断に直接役立つ形にすることで、医療全体の質を向上させることが目標です。今後も、テクノロジーを駆使し、医療関係者の知識を結びつけ、より良い医療の実現に貢献していくと述べています。

企業情報


エニシア株式会社は2017年に医療向けAIソフトウェアの開発を行っている京都大学発のベンチャー企業で、「医療の知を、社会の力に」というビジョンを掲げ、診療情報の利活用に向けた独自の技術を展開しています。


画像1

画像2

画像3

画像4

会社情報

会社名
エニシア株式会社
住所
京都府京都市左京区吉田下阿達町46-29京都大学医薬系総合研究棟
電話番号

トピックス(IT)

【記事の利用について】

タイトルと記事文章は、記事のあるページにリンクを張っていただければ、無料で利用できます。
※画像は、利用できませんのでご注意ください。

【リンクついて】

リンクフリーです。