大雨時のプラスチック輸送
2026-02-10 10:54:01

大雨時の河川におけるプラスチック輸送のメカニズムと実態に迫る研究

大雨時の河川におけるプラスチック輸送の実態



東京理科大学の田中衛助教と二瓶泰雄教授が率いる研究チームは、大雨時の河川におけるマイクロプラスチックやメソプラスチック(以下MMP)の輸送実態を明らかにするため、東京都内の4つの河川を対象に継続的な水質調査を行いました。この研究は、過去の調査が平常時のデータに偏っていたことを受けて実施され、特に洪水や大雨時におけるプラスチックの流れに注目しました。

研究の背景と目的



プラスチックごみは、世界的な環境問題として広く知られています。2019年には、世界全体で約3億5300万トンのプラスチックが生成され、その中の2200万トンが環境中に流出していると報告されています。しかし、プラスチックの排出やその流出メカニズムに関しては未だに多くの不確実性があります。特に、日本の河川を流れるプラスチックごみの研究は不足しており、本プロジェクトではその実態を解明することを目指しました。

研究方法



研究チームは、鶴見川、多摩川、浅川、大和川の4つの河川について、降雨や洪水時に連続的な水質調査を行いました。時刻ごとに採取した河川水を分析し、MMPの濃度や輸送量を調査。観測結果は、平常時と洪水時でのプラスチック濃度の変動に大きな違いがあることを示しました。

プラスチック濃度の変動



調査の結果、大雨によって河川の流量が増加すると、MMPの濃度も劇的に上昇することが確認されました。特に一部の河川では、年間のメソプラスチック輸送量の約90%が、ごく短期間であるわずか43日間に集中して輸送されることが明らかとなりました。これにより、従来行われていた平常時のみの調査では、プラスチックの輸送実態を大幅に見落としていた可能性が示唆されます。

数式による推計手法の開発



流量とプラスチック輸送量の関係を数式化する試みにも成功し、この一般的な経験式を用いることで、集水域や降雨規模が異なる場合でも適用可能な手法が確立されました。マイクロプラスチックについては、L'm= 71.27Q’1.55という関係式が得られ、メソプラスチックではL'm= 108.76Q’2.20との結果が出ています。

研究の重要性と今後の展望



本研究により、洪水時のモニタリングの重要性が強調され、プラスチック排出量を簡単に推測できる道が開かれました。さらに、流域人口一人当たりの年間プラスチック排出量の算出も可能となり、環境政策の立案に貢献することが期待されます。これらの成果は、国際学術誌「Water Research」に掲載され、環境問題に対する新たな知見を提供することとなりました。

この研究からの洞察が、環境負荷の可視化や汚染対策にどのように活用されるのか、今後の動向が注目されます。


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