富士通とインド理科大学院が共同研究、AIで社会課題を解決する新素材開発へ

富士通とインド理科大学院の革新的な共同研究

共同研究の背景

富士通株式会社（以下、富士通）は2025年10月1日より、インド理科大学院（以下、IISc）との資源技術に関する共同研究を開始します。この研究は反応拡散系のシミュレーションを高速化することを目指しています。これにより、化学反応やスマートグリッドにおける電力需要の予測など、多様な科学技術分野での活用が期待されています。

第1の目標は、反応拡散系モデルを基にした新たなアルゴリズムの開発です。従来の手法と異なる部門のシナジーを最大限に活かし、より複雑な現実の問題に実用的なスピードで取り組めるようになります。

反応拡散系とは

反応拡散系は、化学反応と物質の拡散過程を数理モデル化したもので、物理学や生物学など多くの自然現象を扱う際に利用されます。このモデルは通常、偏微分方程式を利用して表現されますが、現実のシステムは無数のネットワーク要素で構成され、その間の複雑な相互作用を含みます。そこで、本研究ではグラフネットワークを利用して反応拡散系をモデル化します。

新アルゴリズムの可能性

開発したアルゴリズムは、特にスマートグリッドにおける需要予測において、高速かつ正確な結果を提供します。これにより、再生可能エネルギーの活用が促進され、CO₂排出量削減に向けた取り組みが進展することが期待されています。

さらに、富士通が持つ高性能かつ省電力なArmベースのCPU「FUJITSU-MONAKA」シリーズの特長を最大限に活用するため、本研究の結果は次世代のデータセンターに適用され、長期的なコスト削減と性能向上にも寄与します。

両者の役割と役割分担

本プロジェクトにおいて、IIScは基礎的な理論研究を担い、新たな計算手法の提案を行います。富士通はその成果を実装し、業界標準を満たすソフトウェアフレームワークの開発を目指します。また、IIScから提供される数学・工学の専門知識は、研究の質をさらに引き上げます。

今後の展望

両者は共同研究の成果を活用し、社会課題の解決に向けたソリューションを開発することで、持続可能な社会の実現を目指します。特に「FUJITSU-MONAKA」シリーズの登場により、AI技術を通じた新しい革新の波が期待されることでしょう。

また、発表された技術は、学術界やビジネス界でのトレンドを先導するものとしても注目されています。今後の研究結果により、様々な社会的課題について、より洗練された解決策が提供されることに期待が高まります。