エミウム、約6億円の資金調達を実施
エミウム株式会社(代表取締役:稲田雅彦)は、2023年11月、資金調達ラウンドで新たに約6億円を集めました。この資金は、Beyond Next Ventures、三菱UFJキャピタル、あおぞら企業投資など、新規投資家によって構成され、既存株主のDNX Venturesも参加しました。この取り組みにより、エミウムの累計資金調達額は9億円に達しました。
武器はデジタル技術
エミウムは、近年のデジタル革命に応じた歯科医療のDX(デジタルトランスフォーメーション)を推進しています。エミウムは2023年11月には東京医科歯科大学発ベンチャーとして認定され、2024年からは東京科学大学に基づく活動が始まっています。資金調達を踏まえ、自社の強みであるデジタル製造技術とAI技術を活用し、歯科業務の効率化やDX化を進める計画です。
歯科業界の現状と課題
歯科医療の業界は、デジタルデンティストリーという新たな潮流の中で急速に進化しています。しかし、同時に「歯科技工士」と呼ばれる専門職の数が減少しており、その影響で業界全体の製造サプライチェーンが課題を抱えています。厚生労働省の統計によれば、国家試験合格者数は最盛期の約30%まで減少しており、若手技工士が早期に職を辞める傾向も見受けられます。
この人手不足は、業務の負荷を増加させ、さらなるデジタル化と生産性の向上が急務であることを示しています。エミウムはこうした現状を受け、デジタルソリューションの提供を通じて、業界の課題解決に力を入れています。
資金調達の戦略と目的
調達金の使い道は、AIを搭載したクラウドソフトの更なる開発、業務支援サービスの強化、フィンテックを組み込んだ新機能の追加など多岐にわたります。特に、歯科医院と歯科技工所間の生産性を高めるクラウドサービスの強化に注力し、チーム医療を進めるためのインフラ構築に取り組んでいく方針です。
提供するプロダクト
エミウムが展開する「エミウム クラウド技工」は、歯科技工業務の生産性を向上させるためのクラウド型管理システムです。様々な機能を提供し、ユーザーは必要な機能を選択して導入できるため、ズームインマーケットのニーズに応える形で成長しています。また、「エミウム 技工センター」という提供サービスでは、デジタル製造プロセスが可能であり、従来の発注方法を大きく覆す革新性を持っています。
投資家のコメント
投資家たちもエミウムの成長可能性を評価しており、各社からは「DX推進による業界課題の解決」「歯科技工士不足を乗り越えるための革新が必要」とのコメントが寄せられています。特に、Beyond Next Venturesの伊藤氏は、稲田氏のリーダーシップのもと、歯科業界におけるものづくりでの革新を期待しています。
今後の展望
エミウムは、技術革新を通じて日本の歯科医療を変革するというビジョンを持っており、東京科学大学との連携を通じて更なるイノベーションの創出を目指します。歯科医療と工学との接点を強化し、持続可能な業界づくりに寄与することが期待されています。
これからもエミウムは、歯科医療の革新を通じて、新しい価値を創造し続ける企業として、成長し続けることでしょう。