2027年卒業 大学別新卒就職人気企業ランキング
2027年卒業予定の学生に向けた新卒就職人気企業のランキングが、HR事業を展開する株式会社リーディングマークによって発表されました。このランキングは、日本国内の最上位校生を対象にしたもので、昨年度のデータと比較しながらトレンドの変化を探るものです。
人気企業ランキングとその動向
今年のランキングでは、総合商社が5年連続でトップ5を独占しています。特に三菱商事をはじめ、三井物産、伊藤忠商事、丸紅、住友商事の5大商社が引き続き強い人気を誇り、学生からの支持を集めています。しかし、総得票数は若干減少しているため、業界内での競争がひとつの要因と考えられます。
その一方で、メーカー・インフラ業界が人気上昇中です。味の素、サントリー、資生堂、日立などの企業が順位を上げ、特に安定性や長期雇用への期待が高まっていることが影響していると考えられます。また、インフラ業界も徐々に注目を集めており、JR東海やJR東日本などがランクアップを果たしました。
コンサル業界の厳しい現実
一方で、コンサルティング業界は低迷している状況です。BCG、マッキンゼー、アクセンチュアなどの有名企業がランクを下げ、特に過去の魅力であった「成長機会」や「高年収」が、最近ではライトに受け止められつつあるという調査結果が出ています。学生たちのキャリアゴール意識の変化が浮き彫りになっており、「安定」や「ワークライフバランス」への志向が強まっています。
学生の年収希望とキャリアゴール
30歳時点での希望年収は平均893万円となり、前年と比較して35万円の減少が見られました。さらに、1,000万円以上を希望する学生の割合は38.8%と、前年比で減少しています。これは、現実的な収入を意識する学生が多くなり、安定に重視したキャリア模索が進んでいることを示しています。
学生のニーズと企業のアプローチ
このような状況を受け、企業側は学生に対し、「安定した働き方」だけでなく、「挑戦する職場環境」を示していくことが重要です。給与や働き方を前面に押し出したコミュニケーションだけでなく、自社の理念やビジョン、さらには働くプロセスの魅力を伝えるアプローチが効果的だと言えるでしょう。これにより、企業の魅力をより伝えることができ、学生からの支持を得やすくなります。
調査概要
この研究は、東京大学、慶應義塾大学、早稲田大学など、名だたる12大学の大学生や大学院生を対象に行われました。調査方法には合同説明会やWEBアンケートを活用し、合計2,055名からのデータを収集しています。これにより、よりリアルな学生の声を反映したランキングが完成しました。
まとめ
2027年の新卒就職人気企業ランキングは、商社の強さやメーカーの復活、コンサル業界の厳しさなど、業界全体の流れが反映された結果となりました。企業側は学生の現在のニーズを把握し、その期待に応える企業文化の構築が求められています。