音力発電の新たな一歩
2023年7月、株式会社音力発電は第三者割当増資の完了を発表しました。この増資は昨年に続くもので、久米島で進行中の実証実験に向けた重要なステップとなります。代表取締役の速水浩平氏は、異業種からの出資が増えたことにより、チーム作りが順調に進んでいると感じているとコメントしました。
循環型波力揚水発電とは
音力発電が開発する「循環型波力揚水発電™」システムは、波の力を利用して水を揚げ、位置エネルギーに変換する新しい発電方法です。このシステムは、パスカルの原理とベルヌーイの定理を応用しており、特殊な「ひも状ミセル」水を使っています。
実際の仕組みとしては、波によって海面に設置されたタンク内のピストンが押し上げられ、上部プールに水が送られます。さらに、整流弁により逆流が起こらず、流れは一方向に保たれるため、効率的に水力発電が可能です。上部プールに貯えられた水は、その落下によって発電が行われます。また、この循環システムにより、揚水された水は再度ピストンで押し上げられ、持続可能なエネルギー供給を目指しています。
この技術の目的は、波力エネルギーを利用し、安定したエネルギー供給を実現することです。特に、既存の小水力発電と組み合わせることで、エネルギーの供給がさらに安定することが期待されます。
技術開発の意義
音力発電の技術開発は、波力発電における耐久性のリスクを軽減しながら、温暖化防止に寄与する可能性を秘めています。波力エネルギーは無尽蔵な資源であり、これを活用することで国民生活の向上にも大きく貢献できると考えられています。
会社概要
株式会社音力発電は、神奈川県藤沢市に位置し、2006年に設立されました。社名の通り、音力をテーマに様々な発電技術の研究開発に取り組んでいます。事業内容には、循環型波力揚水発電や振動力発電、さらに新たな技術の開発が含まれています。
今後の動向に注目が集まる音力発電が、どのように新技術を進展させていくのか、市場や環境に与える影響が期待されています。