関係人口創出の現状と自治体向け新ランキングの発表
都市と地方のつながりを生み出す、「関係人口」の重要性が日に日に高まっています。このたび、株式会社雨風太陽とココホレジャパンが共同で行った調査に基づき、「かかわりやすいまちランキング2024」が発表されました。
ランキングの目的と背景
このランキングは、全国の1,718の自治体と特別区を対象に関係人口創出の取り組み状況を調査することで、地方自治体における関係人口の現実を明らかにし、その成果を他の自治体が参考にできるような形で共有することを目的としています。特に、関係人口創出を進める工程や課題を公表し、より多くの自治体が実際の取り組みに繋げられるよう後押しする狙いがあります。
調査結果の概要
調査では、ほぼすべての自治体が「関係人口の創出」を政策項目に掲げている一方で、その実行状況は厳しいことが分かりました。約9割の自治体が対策項目に設定しているものの、具体的な取り組みを実施しているのは約4割に留まるという結果でした。
1.
関係人口の把握状況
約8割の自治体が関係人口を把握していないと回答しており、数値化や可視化が十分に行われていない現状が浮き彫りになりました。
2.
協力機関との連携
地域内の団体と連携している自治体は51.2%、地域外はわずか8.8%であり、連携を深める余地があることがわかります。
3.
具体的な取組の進捗状況
調査に応じた自治体の約39.7%が具体的な取り組みを「行っていない」か「検討中」であると回答しており、具体的な行動を起こせていない実態が示されました。
ランキング結果
今回の調査結果をもとに選ばれた「かかわりやすいまちランキング2024」の上位三自治体は以下の通りです。
1.
島根県 隠岐の島町
高校魅力化教育など、地方創生において先進的な取り組みを行っている隠岐の島町が1位に輝きました。定期的に関係人口を把握する仕組みも整えており、他の自治体の模範といえます。
2.
秋田県 北秋田市
保育園留学やデュアルスクールの導入、さらに副業・兼業を推進しており、交通の便も良く関係人口創出拡大に積極的です。
3.
岐阜県 飛騨市
すべての調査項目で高評価を獲得しており、既に多くの関係人口を把握しながらも、さらなる発展を希望する姿勢が見受けられます。
今後の取り組み
2024年8月7日には、自治体職員向けのオンラインイベントも予定されており、具体的な事例をもとに今後の課題解決策について議論が行われます。このような機会を通じて、関係人口創出に向けた具体的な行動が促進されることが期待されています。
まとめ
関係人口の創出は、地域社会にとって重要な課題であり、本ランキングの発表はそれを意識した各自治体の戦略に新たな示唆を与えるものといえるでしょう。今後も関係人口創出に向けた取り組みが広がり、地域の活性化に繋がることを願っています。