待望の文庫化！小林早代子のデビュー作『アイドルだった君へ』登場

小林早代子のデビュー作が文庫化

2015年に「女による女のためのR-18文学賞」読者賞を受賞した小林早代子のデビュー作「くたばれ地下アイドル」が、ついに新潮文庫から文庫化されます。その名も『アイドルだった君へ』。この書籍は、アイドルの表と裏、そして人々の欲望や愛情を赤裸々に描写しており、読者に強烈な印象を与えること間違いなしです。

新作情報

『アイドルだった君へ』は、2月28日に発売が予定されており、特に注目したいのが収録された短編集です。「くたばれ地下アイドル」を中心に、地下アイドルに対する少女の独占欲や自己顕示欲が描かれており、時には切なく、時には共感を呼ぶ作品となっています。アイドルユニット「ノンシャラン」の結成から、デビュー、低迷期、再ブレイク、さらにはスキャンダルに至るまでの物語は、アイドル文化が持つ複雑さを見事に表現しています。

また、女子大生が親友の推しに似せるために努力する「君の好きな顔」、アイドルであることの苦悩を描いた「アイドルの子どもたち」、そして自分にとってアイドルが持つ意味を問い続ける「寄る辺なくはない私たちの日常にアイドルがあるということ」など、いずれの作品も深いテーマを含んでいます。

アイドル文化の裏側

吉川トリコさんによる解説では、アイドルが私たちの心の中に空いている「大きな空洞」を埋める存在であることが語られています。愛や欲望の対象としてのアイドル、彼女たちが私たちにもたらしてくれるものは何なのか、そしてその存在がどのように私たちの人生に影響を与えるのかを考えさせられる内容です。現代のアイドル文化が抱える矛盾や、私たちが求めるアイドル像を真摯に問う作品となっています。