吉利汽車の新たな自動車安全の地平線
吉利汽車集団は、2023年、世界最大かつ先進적인自動車安全試験施設を開設しました。その名も「吉利安全センター」。このセンターは4万5,000平方メートルの広大な面積を誇り、初期投資額は20億元以上に達します。
世界記録更新の試験施設
吉利安全センターは、5つのギネス世界記録を樹立しました。自動車安全試験施設としての最大面積(81,930.745平方メートル)、最長屋内衝突試験コース(293.39メートル)、気候調整機能付きの風洞試験施設(最大風速250km/h)、任意角度衝突試験が可能な試験ゾーン、さらには多様な試験項目数(27種類)で新たな基準を打ち立てています。
包括的な安全への取り組み
吉利の「包括的安全」コンセプトには、サイバーセキュリティやデータプライバシー、そして健康と環境保全が組み込まれています。この安全センターは、単に車両や乗員の保護に留まらず、知能化社会に向けた新たな安全基準を実現するためのプラットフォームとして設計されています。自動車のサイバーセキュリティ試験は、CNAS認証基準に基づき行われ、車載システムの多様な評価が可能です。
特に重要なのは、「ゴールデンノーズ」チームによる人体に有害な物質の検出専門性です。このチームは、有害ガスや臭気をゼロにするための試験に特化しており、健康的な自動車環境の実現を目指しています。
国際的な安全技術のプラットフォーム
新たな安全センターは、世界各国の安全技術のベストプラクティスを集約する場でもあり、国際的な技術知見と吉利自身の研究開発力を融合させることで、法規制を超えた安全性能の実現を目指しています。中国汽車技術研究中心(CATARC)や清華大学との連携も強化され、共同で「知能化車両の安全発展白書」を発表しています。
安全性への変わらぬコミットメント
吉利汽車集団のCEOガン・ジェリー氏は、安全が企業の最優先事項であることを強調し、各国の安全基準を上回ることを目指す姿勢を示します。副総裁の李春海氏も、電動化や知能化の進展に伴う新たな安全基準の重要性を語り、安全技術の革新を加速すると語っています。
未来への一歩
吉利の安全センターの開設は、過去10年にわたる2,500億元以上の研究開発投資の延長線上にあります。この新たな取り組みは、より安全で持続可能なモビリティソリューションを世界中のユーザーへ提供するための基盤となります。吉利汽車は、これからも次世代の安全技術を推進し、業界全体の安全基準を向上させることでしょう。