シリア出身のSさんが、困難を乗り越えオイシックス・ラ・大地株式会社に就職した背景をご紹介します。
難民の新たな挑戦
シリアの大学で水耕栽培を学んだSさんは、母国の困難な情勢から逃れ日本へ到着しました。東京農業大学の大学院でさらに深い知識をつけようと努力しましたが、外国人がホワイトカラー職に就くことの難しさを痛感しました。その後、農業分野での就職を目指しても望む道に進めず、2023年に独学でプログラミングを学ぶ決断を下しました。マーケットで必要とされるスキルの幅を広げ、自身のキャリアの道を模索し続けた結果、WELgeeとの出会いがありました。
WELgeeとの出会い
NPO法人WELgeeは、難民の雇用機会を提供するプラットフォームを運営しています。彼らの支援を受け、オイシックス・ラ・大地株式会社とつながることができました。オイシックスは、経済同友会の支援を受け、難民人材を採用するという新たな取り組みを始めました。Sさんは2024年9月から6か月間のお試し雇用を経て、正社員としての道を切り拓きました。
新たなキャリアのスタート
採用後、Sさんはフロントエンジニアとしての業務に取り組み始めました。安全・安心にこだわった食品を届ける「大地を守る会」の運営に携わり、ECサイトの改善や特設サイトの運用に貢献しています。彼の積極的な姿勢と遅れを取ることのない行動力は、多くのメンバーからも期待されています。
難民人材の採用がもたらす価値
難民人材を採用することは、企業に新たな視点や価値をもたらすものと考えられています。オイシックスのHR本部副本部長は、社会課題解決に寄与しながらも、優秀な人材を見つける機会としてこの取り組みを評価しています。Sさんはその模範的な存在であり、自身の経験をもとに新たなフレッシュな視点で取り組みを進めています。彼の成長意欲と前向きな姿勢は、周囲を激励し、チーム全体の雰囲気を明るくしています。
経験の積み重ねと未来への希望
Sさんの努力は、難民としてだけでなく、一人のプロフェッショナルとしての成長を示しています。難民の定義は変わりつつありますが、彼のように自らの手で未来を切り開こうとする姿勢は、多くの人に勇気を与えます。日本での新しい経験は、彼にとって大きな成長の場となり、新たなキャリアの可能性を広げるものとなっています。
このように、シリア出身のSさんの事例は、難民人材の雇用がどれほど有意義であるのかを示しており、今後もこうした取り組みが広がっていくことを期待したいです。