株式会社Liquid、スマホでのパスポートICチップ読取技術を開発中
株式会社Liquidが新たにスマートフォンを活用したパスポートICチップ読取技術の開発に着手しています。この技術は、訪日外国人の増加に伴う本人確認業務のデジタル化ニーズの高まりを受けての取り組みであり、2026年度の実用化を目指しています。世界140ヶ国以上に対応するこのシステムは、特に宿泊施設やレンタカーたちでの利用が期待されています。
背景
訪日外国人旅行者数は、今後急速に増加すると予測されています。2024年には3,000万人を超えるとされ、政府の目標としては2030年に6,000万人を掲げています。この増加に伴い、宿泊施設やレンタカー事業者における外国人旅行者の本人確認業務が増加しています。多くの事業者は、従来の目視確認や写真撮影を行っているものの、言語の壁や人手不足に悩む中、デジタル化のニーズが高まっています。さらに、パスポートの偽造も問題視されており、迅速な対策が求められています。
技術の概要
Liquidの新しい技術は、主に次の機能を備えています。
1.
スマートフォンによるパスポートICチップの読取: NFC技術を用いて、専用リーダーを必要とせず、スマートフォンだけで本人確認を行うことが可能です。これにより、140ヶ国以上のパスポートに対応。
2.
高精度な本人確認: パスポートに埋め込まれたICチップから顔写真データを抽出し、撮影した顔画像と照合することで、本人確認を行います。また、電子署名検証により偽造を防ぎます。
3.
セキュリティの強化: データは国内のデータセンターで処理され、個人情報保護法に準拠した管理がなされています。ISO/IEC 27001の認証も取得。
4.
MRZの自動読取機能: パスポートの機械読み取りゾーン(MRZ)をスマートフォンで高精度に自動読取し、情報の整合性を確認します。
実際の活用シーン
この新技術は、宿泊業界やレンタカー業界、民泊施設などで幅広く利用されることが想定されています。
- - 宿泊施設においては、スマートフォンでの事前本人確認が可能になり、チェックイン時にはパスポートの提示が不要になります。これにより、業務効率がしたが、特に人手不足への対応が期待されています。
- - レンタカー業界では、無人貸渡ステーションでの本人確認が進み、貸渡手続き時間を大幅に短縮することが可能となります。これにより営業時間外にも対応できるようになります。
- - 民泊・バケーションレンタルでは、セルフチェックインが可能になり、訪日外国人の利便性が向上します。
今後の展望
Liquidは、この技術を活用し、訪日外国人6,000万人時代に向けた本人確認のインフラを構築することを目指しています。宿泊業界やレンタカー業界、民泊事業者だけでなく、政府のデジタル化プロジェクトへの貢献も視野に入れています。
この取り組みは、訪日外国人との接点を作る大きな一歩となり、デジタル時代における新しいサービスの形が見えてきています。これからの展開に期待が高まります。