メルクが静岡事業所に投資
2021年4月15日、ドイツのダルムシュタットからのニュースです。大手サイエンス企業であるメルクが、日本の静岡事業所に向けて2,000万ユーロの巨額投資を決定しました。この投資は、研究開発や製造能力の向上を図るもので、特にエレクトロニクス材料において革新を促進することを目指しています。
静岡事業所の重要性
メルクのセミコンダクターマテリアルズ部門を率いるアナンド・ナンビアは、「静岡事業所は日本における私たちの重要なテクノロジーハブの一つであり、半導体やディスプレイ業界向けの新材料の開発に特化しています」と語ります。この事業所は、デジタル経済の進展に伴い、業界ニーズの急増に応えるべく、研究パートナーや顧客とのコラボレーションを強化しています。
具体的な投資内容
この投資により、静岡事業所では次のような取り組みが予定されています:
- - 半導体及びディスプレイ業界向けの新材料開発
- - デバイス統合
- - アプリケーションテスト
- - サンプリング
- - 品質管理
- - 製造力の強化
これには、パターニング材料、誘電体、メタルハードマスク、ハイブリッドSOD、新規プリカーサなど、最新の半導体製造向け材料が含まれます。また、北米やアジアの研究開発センターとも連携し、革新的なデジタルソリューションの開発を進める予定です。
デジタル化の影響
新型コロナウイルスの影響でデジタル化が進行している中、半導体材料の需要は急激に増加しています。このトレンドに敏感に反応し、短いリードタイムでのイノベーションを実現するために、メルクはグローバル規模での機能強化に注力しています。
静岡事業所の新施設
2021年1月には、静岡事業所内に面積6,000平方メートルの新しい2階建ての施設が完成しました。この新施設は230名の社員のオフィススペースとしても活用され、部門間のコミュニケーション促進を期待されています。
静岡事業所は、フォトレジストや蒸着材料の開発で長い歴史を有し、1984年の設立以来、グローバルな半導体材料事業に貢献してきました。
未来のデジタルライフに向けて
人工知能や機械学習技術の進化に伴い、エレクトロニクス関連技術における革新が求められています。メルクは、先進的な半導体デバイス製造プロセスを用いた新材料の研究開発を進め、その結果として、ユーザーに対してパワフルなコンピューターチップや新しいコンピューティングアーキテクチャを提供できるよう努めています。
また、輸送機器や装置、コンテナ、サービスに関する専門性も活かし、グローバルな協力体制を強化しています。ヴェルサムマテリアルズとインターモレキュラーの統合によって、メルクの研究開発力が一層高まり、エレクトロニクス分野における画期的な新技術の開発が加速する見込みです。
メルクの概要
メルクは、ヘルスケア、ライフサイエンス、エレクトロニクスの分野で世界的に認知されている企業で、1868年に創業されました。現在、約58,000人の従業員が高品質な製品とサービスの提供を追求し続けています。2020年には66カ国で175億ユーロの売上を記録し、世代を超えたテクノロジーの進歩に寄与しています。
メルクエレクトロニクス株式会社は、メルクのエレクトロニクス部門の日本法人で、液晶材料や半導体製造向けの特殊化学品の研究開発と販売を行っています。詳細は公式ウェブサイトをご覧ください。