日本ハイドロパウテックが約4億円の資金調達を実施、ASEAN進出を加速

日本ハイドロパウテックが約4億円の資金調達、ASEAN市場に本格進出

新潟県長岡市に本社を置く日本ハイドロパウテック株式会社（NHP）は、Inabata Thai Co., Ltd.（IK-T）から約4億円の資金調達を実施したことを発表しました。この資金は、同社が持つ革新的な加水分解技術を基にした食品原料の開発を促進し、ASEAN地域におけるビジネス展開を加速させるためのものです。

資金調達の目的と戦略

NHPは、これまで独自の加水分解技術を用いて食品の企画・開発・製造・販売を行ってきました。この技術により、従来の醸造や発酵法に比べて大幅に時間を短縮でき、化学薬品を使用せずに環境負荷を低減することが可能です。

2024年4月には、海外子会社であるHydro Powtech Singapore（HPS社）を設立する予定であり、自社ブランド「ANY1 CHOCO」の店舗展開や、加水分解物製品のASEAN市場での販路開拓を本格化させる計画とのことです。また、同年11月には、株式会社インスパイア・インベストメントからの資本参画を得て、マレーシア市場を中心に事業展開を始める予定です。

IK-Tとのパートナーシップを通じて、NHPはタイを拠点にした製造・販売体制を築き、この地域のニーズに応じた新製品の共同開発へとつなげていくことを目指しています。

NHPの技術と製品の魅力

NHPが展開している加水分解技術は、アレルゲンフリー対応や代替乳、代替肉等の分野への応用が期待されています。近年では、株式会社ロッテとの資本業務提携を通じて、カカオ資源の有効活用など、他の分野への技術応用も進めています。このような背景の中で、今回の資金調達はさらなる事業の拡大に寄与することでしょう。

IK-Tの期待

IK-Tの代表取締役、児玉英大氏は、過去35年以上にわたりタイでビジネスを展開してきました。IK-Tは、タイ国内の産業構造の変化に対応するためにポートフォリオを広げることを模索しており、NHPの優れた製品群に出会えたことを誇りに思っています。将来的には、タイ国内での合弁会社設立を視野に入れ、現地での生産も検討しています。