マンション修繕積立金の現状と住み替え検討の実態
近年、マンションの修繕積立金が買った時よりも大きく値上がりしているという調査結果が明らかになりました。ディー・エヌ・エーグループの株式会社スマート修繕が行ったこの調査は、全国のマンション区分所有者および1棟オーナーの40歳以上の人々を対象に実施され、その結果が注目されています。
調査背景と概要
調査名は「修繕積立金の値上がり額/修繕積立金に対する意識・理解に関する調査」。全国から844人の有効回答を得て、2024年11月半ばに実施されました。調査領域は全国であり、インターネットを通じて実施されました。
修繕積立金の値上がりの実態
調査の結果、区分所有者の約61%がマンション購入時と比べて修繕積立金が上昇していると答えています。さらに「均等積立方式」での調査でもこの数値は63.3%に達しました。
主な上昇幅に関しては、
- - 1,001〜4,999円が36.3%で最も多く、
- - 5,000〜9,999円が30.9%、
- - 10,000〜14,999円は17.7%でした。
また、上昇したことについて「仕方がない」との声は77.3%にも及び、今後のさらなる値上げについての不安も聞かれました。今の物価の上昇という背景から、これを受け入れたというのがその理由です。
地域別の傾向
面白いことに、エリア別に見ると「東北」と「九州」の地域で特に修繕積立金が上がったとの回答が多くありました。築年数が15年を超えると、多くの管理組合が初めての大規模修繕工事でお金の必要性を痛感し、そのあとの積立計画を見直す傾向があります。
意識の違い:理事や委員の経験
また、管理組合における理事や委員の経験が意識に影響を与えていることが明らかになりました。経験がない場合、修繕積立金の使用目的やタイミングを「把握していない」と答える人が約50%に対し、経験がある場合はその割合が約70%まで上昇しました。
さらに、理事や委員の経験がある人は、修繕積立金の上昇による住み替えの検討意識が平均の2倍以上、高い数値が見られました。これは、自らが管理運営に関わることで、より危機感を持っていることを示しています。
修繕積立金不足のリスク
スマート修繕の執行役員、別所毅謙氏は、修繕積立金不足は単に修繕ができなくなる危険だけでなく、建物の資産価値の低下や寿命を縮めることにつながると警鐘を鳴らしています。これを回避するためには、管理組合全体での積立金の認識を高め、定期的な長期修繕計画の見直しや必要な工事の精査が必須です。
結論
マンションの修繕積立金の上昇は、ほぼ全ての区分所有者に影響を及ぼしていますが、これを前向きに考え、計画的な管理を行うことで、将来的な資産価値の低下を防ぐための対策が求められています。サポートを提供する企業として、スマート修繕は信頼性のある情報とサービスを提供しています。ぜひ、長期的な視点でのマンション管理運営を心掛けていきたいものです。