伊沢拓司が語る組織の「環境」づくりと学びの楽しさ

2025年1月30日、QuizKnockの代表である伊沢拓司氏が東京ビッグサイトで企業人事担当者を対象に特別講演を行いました。この講演は「バックオフィス World」に併設され、約410人の参加者が集まりました。講演では「楽しいから始まる学び」というコンセプトが中心に置かれ、学びの場がどう楽しく、効果的に作られるのかが語られました。

「楽しいから始まる学び」とは？

伊沢氏は、彼の提唱する「楽しいから始まる学び」について詳しく解説しました。彼によれば、この学びのプロセスは「知る」から「楽しい」となり、さらに知識を深めたいという欲望につながる正の循環を作り出すことが重要だと言います。音楽を例に挙げ、「ある曲を耳にして調べることでその曲やアーティストについて楽しく学べる。このように、インスピレーションが学びを加速させるのです」と力説しました。

しかし、このポジティブな学びのループが回り始めるまでにはある程度の時間がかかるため、特に教育の現場においては、そのプロセスを「楽しくする方法」を考える必要があると指摘します。彼は「そのために、我々が目指すのは、学ぶ環境全体を整えることなのです」と述べました。特にビジネスの現場では、個人だけでなく、組織全体の成長に寄与する環境が求められます。

QuizKnockの「環境」づくりの実践

講演中、伊沢氏は「環境」の重要性を体感してもらうため、参加者が協力して行うオンラインクイズ大会を実施しました。これはQuizKnockが開発したクイズ出題サービス「Quiz Pitcher」を使用し、簡単に参加できる形式で行われました。参加者はスマートフォンを使い、リアルタイムで出題されるクイズに解答していきました。

全5問のクイズ終了後には、ランキングが表示され、上位10名が称賛を浴びる場面もありました。このような場面を通じて、伊沢氏は「環境」を整備することがかくも重要であるかを示しました。彼は「特別なコンテンツや講師が不要で、個の成長を促進できることから、全組織に応用可能です」とその利点を語ります。

環境づくりの優先順位

伊沢氏は、環境づくりにおける優先順位を以下の3つにまとめました。

1. 居られる環境：まずは学ぶ場所が快適であることが重要です。
2. 巻き込む仕掛け：参加者が主体的な気持ちを持ちながらも、一体感を大切にするような環境づくり。
3. 楽しませる：楽しさも大事だが、他の要素とのバランスが重要です。

最後に、これまでQuizKnockが実施してきた様々な環境づくりの事例を紹介しました。企業イベントや学生向けのワークショップなど、その多彩なシチュエーションに合わせた方法が提案されました。