江戸川区花火大会でのデジタル技術活用による安全運営
毎年多くの人々が訪れる江戸川区花火大会は、その壮大な打ち上げとともに、来場者の安全や混雑緩和に向けたさまざまな工夫がされてきました。特に今年は、NTT東日本の南関東東京東支店が江戸川区花火大会実行委員会と連携し、デジタル技術を駆使した新たな取り組みが行われることとなりました。
1. 実施目的
江戸川区花火大会の来場者数は年々増加しており、特に協賛席と有料席では3万人を超える人が集まると予想されています。そこでは混雑によるトラブルや事故を未然に防ぐため、リアルタイムな混雑情報の提供が必要不可欠です。今回の取り組みは、混雑状況を即座に把握し、警備や誘導を柔軟に行うことで、より安全な運営を目指しています。
2. 実施概要
第49回江戸川区花火大会は、2024年8月24日(土)に開催され、約14,000発の花火が打ち上げられる予定です。会場は江戸川河川敷とその周辺で、15:00から21:30までの間で様々な映像を取得し、混雑状況を把握します。
2.1 ギガらくカメラとスターリンクの導入
大会では、ギガらくカメラを使用して映像を配信します。この技術により、交通の要所からの映像がリアルタイムで大会本部に送信され、混雑ポイントの把握が容易になります。また、LTE通信の輻輳を避けるため、スターリンクの導入も予定されています。これにより、より広範囲にわたるインフラの整備が進められます。
2.2 GPSデータの取得
会場周辺の誘導路においてGPSデータを取得し、全40ルートでの混雑状況を可視化します。データは前回大会及び前々回大会の情報をもとに、リアルタイムな警備計画策定に役立てられます。今回大会で収集された人流データは、来年度の大会運営にも活かされる予定です。
3. 結果と効果
これらの技術を用いることで、実施中は大会運営本部や警備関連機関に即時に混雑状況を共有することが可能となり、現地情報が本部でリアルタイムに映像で確認できます。これにより、現場からの迅速な状況把握が実現し、来場者の安全を確保するための柔軟な対応が行えるようになりました。さらに、過去のデータに基づく警備シミュレーションが行われ、具体的な警備計画が策定されています。
4. 今後の取り組み
NTT東日本は、今回の経験と成果を活かし、今後も江戸川区花火大会をはじめとした地域イベントの安全運営に貢献します。この取り組みは、単なる花火大会に留まらず、地域全体の安全意識を高めることにもつながるでしょう。
こうしたデジタル技術の進化は、今後の地域イベント運営において重要なポイントになると予想されます。来年度以降の江戸川区花火大会においても、さらに充実した安全策を期待したいところです。