ヤマハ発動機とNOK、初のグローバル技術賞を受賞
このたび、NOK株式会社(東京・港区)がヤマハ発動機株式会社(静岡・磐田市)から「2025 YAMAHA Global Suppliers Conference」において「Global Award 技術開発賞」を初めて授与されました。これは、世界初の電子制御式CVT(無段変速機)「YECVT」の開発に、NOKのオイルシールが大きく貢献したことが評価された結果です。
YECVTとは?
「YECVT」とは、ライダーの操作によってモーターを電子的に制御し、変速を最適化する技術です。この技術により、従来のスクーターが持つ制約を超え、マニュアルトランスミッションによる加速感やエンジンブレーキを小型スクーターにもたらしました。これによりライダーは多様な走行体験を楽しむことが可能になります。
NOKはこの「YECVT」の実現に向け、専用のオイルシールを設計・開発しました。回転用および往復動用のオイルシールは、限られたスペースの中でも高い密封性を維持しつつ、機能の分担や仕様の細分化を行い、コンパクトな設計と安定した性能の両立を図りました。
表彰の背景
授賞された盾には、ヤマハ発動機が掲げる調達本部方針の象徴として、繁栄や円を表す七宝柄と、固い絆や喜びを象徴する朝顔のデザインが施されています。これらのデザインは、両社の強固な関係を物語っています。
同社の執行役員調達本部長である増田辰哉氏は、「このECVT開発では、システムを『小さく安く』することが求められました。我々の技術的課題に対し、NOKの高い技術力とノウハウによって、優れたオイルシールが開発され、新たなモデルを市販できたことに感謝しております」とコメントしています。
受賞の意味
NOKの今回の受賞は、製品の品質や対応力、さらにはグローバル供給体制に至るまで、様々な側面での取り組みが評価されたことを意味します。「可能性を技術でカタチに」という企業の理念のもと、NOKは今後も新たな価値を創出し、社会に貢献する姿勢を持ち続けます。
受賞式について
受賞の式典は2025年5月23日、静岡県浜松市のオークラアクトシティホテルで行われました。この特別なイベントは、業界内外から注目を集めており、技術開発への情熱が共鳴する場となりました。
NOK株式会社の概要
NOKグループは「Essential Core Manufacturing ― 社会に欠かせない製品の開発」を掲げており、自動車やモビリティ、エレクトロニクス、医療機器など様々な分野にわたる技術と製品を提供しています。約38,000人の社員が15の国や地域で活動しており、持続的な品質向上と安定した生産プロセスを実現しています。NOKはこれからも新たな技術革新に向けて取り組む姿勢を強化していくでしょう。