社会問題解決に向けた一歩
3月14日、東京都新宿区に本部を置くパルシステム共済連とパルシステム連合会が、オンラインにて合同報告会を開催しました。この報告会は、「ささえあい基金」と「地域づくり基金」による助成活動を紹介し、社会的孤立の防止や地域振興に向けた取り組みを発表する場となりました。昨年度に続き、2回目の合同開催となりました。
参加団体と活動内容の発表
当日は、4つの団体がそれぞれの取り組みを報告し、オンラインで参加した46人の参加者からも活発な質問が寄せられました。まず、「ささえあい基金」の助成団体からは、特定非営利活動法人BONDプロジェクトといわき自主夜間中学が、地域の若者支援に関する活動内容を紹介しました。
BONDプロジェクト(東京都)
BONDプロジェクトは、心のケアを必要とする10代や20代の女性たちを対象に、畑づくりプログラムを展開しています。利用者との密接な関係を築くことが目標で、2009年の設立以来、様々な支援事業を行っています。助成金はこのプログラムのための農具や備品購入に使われ、地域住民との交流イベントも計画されています。
いわき自主夜間中学(福島県)
次にいわき自主夜間中学では、学び直しを希望する人々を対象にした夜間中学の整備事業について紹介しました。2019年に設立されて以来、特に不登校や発達障害の影響を受けた方々への支援を行い、現在受講生は10代から80代までの18人。助成金を利用して広報活動を行い、地域の認知度向上につなげています。
地域づくりと農業の未来を目指して
地域づくり基金からは、東京都のデトックスプロジェクト・ジャパンと、鹿児島県の種子島黒糖夢のたねプロジェクトが自らの活動を報告しました。
デトックスプロジェクト・ジャパン
デトックスプロジェクトは、農薬の人体汚染調査を行い、農薬の使用削減と規制強化を目指す活動をしています。小学生を対象にした尿分析を通じて、食事からの農薬汚染の調査を実施し、その結果を受けて、有機農業の普及を推進したいとしています。
種子島黒糖夢のたねプロジェクト(鹿児島県)
さらに、伝統的な黒糖製造技術を継承するための取り組みが行われています。このプロジェクトでは、百年以上の歴史を有する黒糖製法の後継者を育成する研修が実施され、新たな世代へと伝統を受け継ぐことを目指しています。助成金は研修にかかる経費に利用され、若者たちの積極的な参加が見られます。
共同の未来を目指す
パルシステムは、多様な市民団体やNPOとの連携を深めながら、地域の課題解決に向けた支援活動を継続的に行っていく方針です。社会の様々な問題に立ち向かうための助成が、全国の農業や福祉、教育分野に広がることが望まれています。地域社会が互いに支え合う環境が構築されることが、持続可能な社会の実現へと繋がるでしょう。
これからもパルシステムの取り組みや支援に注目していきたいものです。