製紙業界の未来を変える「Kuri-smart™」の本格展開開始
クリタ、製紙業界向け予兆診断サービス「Kuri-smart™」を本格展開
栗田工業(クリタ)は、製紙工場の製造工程での品質低下や操業障害を事前に予測するためのサービス「Kuri-smart™」を2023年9月から本格的に展開しています。このサービスは、水質データを用いた解析を基にし、製品品質を守るための新たな手法を提供します。
製紙業界の現状と課題
最近の製紙業界では、熟練工の退職や労働人口の減少が深刻な問題となっています。これにより、技術の伝承が難しくなっており、安定した品質の製品を少人数で確保することが求められています。また、環境への配慮から脱炭素化の動きが進む中、蒸気を作るためのエネルギーやCO2排出量の削減、水資源の保全が重要な課題として浮上しています。
古紙から作る再生紙の需要は依然として高いですが、原料となる古紙が不足しており、これが製品の品質トラブルを引き起こしています。このため、製紙業界は新たな解決策を求めています。
「Kuri-smart™」の特徴
「Kuri-smart™」は、製紙工程における水質データを収集し、データサイエンスに基づく高度な解析を行います。これにより、欠点の発生、品質低下、操業障害の予測ができ、事前に対策を講じることが可能です。プロセスデータの可視化を行い、独自の予測モデルを用いて問題の原因を自動的に解析します。
さらに、「Kuri-smart™」は、予兆診断結果に基づいた予防策も提供します。このサービスは水処理薬品や装置、メンテナンスサービスを統合し、包括的なソリューションとして展開しています。その結果、従来の手法と比較して欠点の発生を約40%も減少させ、蒸気の使用量も削減できる見込みです。
今後の展望
「Kuri-smart™」は、2023年10月9日から11日まで開催される第67回-2024年紙パルプ技術協会 高崎年次大会で紹介される予定です。この大会での発表を通じて、さらなる普及が期待されています。
栗田工業は、デジタル技術の活用によりコスト削減や省力化を図り、持続可能な社会の実現に向けたソリューションを提供していく方針です。環境負荷の低減に貢献する製品開発に、今後も注目が集まることでしょう。
物価の高騰や原材料の費用が業界全体に影響を与える中、このような新しいサービスの導入は、持続可能な成長を支える重要な要素です。クリタの「Kuri-smart™」が、製紙業界の未来をどう変えていくのか、引き続き注視していきたいと思います。
会社情報
- 会社名
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栗田工業株式会社
- 住所
- 東京都中野区中野4丁目10番1号 中野セントラルパークイースト
- 電話番号
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03-6743-5000