栃木県の高根沢町が、個人の脱炭素行動を促進するために、エコライフアプリ『SPOBY』を導入することが発表されました。これは栃木県内初の試みであり、ゼロカーボンシティの実現を目指して、町全体で協力し合いながら進められます。この取り組みは、2025年1月14日から開始され、県の補助金を受けながら進行します。
仕事や生活の中でCO2排出を減少させるため、高根沢町は「楽しく脱炭素」というテーマを掲げています。町民が気軽に脱炭素を意識しつつ健康的なライフスタイルを送れるよう、各種施策が用意されています。このプロジェクトでは、SPOBYを通じて、エコファミリー制度の申請手続きや情報配信がデジタル化され、地域の商業施設との連携や廃食油の回収活動も行われます。これにより持続可能な航空燃料の製造にも寄与することを目指しています。
高根沢町は、令和6年5月に「脱炭素につながる新しい豊かな暮らしを創る国民運動」に賛同し、この活動の一環として「デコ活宣言」を行いました。この宣言により、地域住民が環境問題に対して積極的に関与し、実際に「地球に優しい暮らし」を実践する家庭を認定する制度が導入されています。「たかねざわエコファミリー」としても知られているこの制度は、SPOBYを用いてさらに効果的に進化する予定です。例えば、生ごみのコンポストやマイボトルの利用、廃食油の回収といった行動が、脱炭素社会の実現に寄与することが期待されています。
啓発活動として、町内イベントを通じて脱炭素の重要性を伝える取り組みも行われます。その第一歩として、2025年1月12日に高根沢町で開催される「元気あっぷハーフマラソン」では、脱炭素活動の周知を目的とするイベントも企画されています。さらに、脱炭素に取り組む町民に対して、「折り畳み宅配ボックス」が当たるキャンペーンも実施され、再配達の手間を減らし、環境への負荷軽減にも繋がる施策も計画されています。
このエコライフアプリ『SPOBY』は、個人や地域全体のCO2排出量を可視化できる機能を持ち、利用者の健康増進にも寄与するとされています。自治体向け事業として、市民の行動を解析し、脱炭素の行動変容を定量的に示すことが可能です。
スタジオスポビーはこのアプリを通じて、「人の行動変容を促進し、社会課題を解決する」というビジョンを持ち、2022年からサービスの提供を開始しました。環境省でも脱炭素先行地域として採用されており、今後の広がりが期待されています。このように、高根沢町の取り組みは、地域全体で協力しながら持続可能な社会を目指す意義のあるプロジェクトとなるでしょう。