牙の新鑑別法
2026-05-11 10:54:44

ニッピが開発した象牙とマンモス牙の高精度鑑別法の意義

ニッピが実現した象牙とマンモス牙の高精度識別法



株式会社ニッピは、象牙とマンモス牙を区別するための新しい分析手法を開発しました。この手法は、I型コラーゲン由来のマーカーペプチドを使い、外観を損なうことなく高精度に鑑別できるのが特徴です。

研究の背景


象牙は古来より印鑑や楽器、美術工芸品などに使用されてきましたが、野生動植物保護の観点からその取引には厳しい規制があります。対照的に、マンモス牙は絶滅種として取引は合法であり、そのため偽装取引が増加しているのが現状です。この背景から、両者を正確に識別する必要性が高まっています。

従来は、牙の見た目に現れる独特の模様「シュレーゲル線」を観察することで区別されてきましたが、加工品ではこれが役に立ちませんでした。さらに、DNA分析は製品が劣化した場合には判別が難しいため、より安定した識別法が求められていました。

新しい分析手法の開発


ニッピは、I型コラーゲンというタンパク質に注目し、新たな分析法の研究に着手しました。このコラーゲンは、古代の生物由来の試料でも構造が安定しているため、様々な状況で有効に機能します。これまでの研究で、同じくI型コラーゲンを原料とする他の製品においても、ペプチドを特定する方法を確立しています。

今回の研究では、トリプシン消化を利用して生成したペプチドを質量分析装置で解析し、4つの判定用マーカーペプチドを特定しました。これにより、アフリカゾウ、アジアゾウ、マンモスとの間での識別が実現しました。

マイクロサンプリング技術の導入


分析の精度をさらに高めるため、サンドペーパーを使った「マイクロサンプリング技術」を導入しました。これにより、目に見えないほどの微量からでも分析が可能になり、外観を損なわぬまま高精度の識別が可能となりました。実際、市販の印鑑を用いたテストでは、全てのサンプルで由来を特定し、期待通りの結果が得られました。

技術の応用可能性


この新技術は、印鑑に留まらず、加工されていない牙や歴史的な美術品の鑑定へも応用可能です。科学的根拠をもって鑑定が行えることから、この手法は不正な象牙取引を抑止し、野生動物保護への貢献も期待されています。特に、絶滅の危機に瀕している野生動物を守るための力強い味方となることでしょう。

まとめ


ニッピが開発した象牙とマンモス牙の識別法は、新たな一歩を踏み出しました。今後、この技術が広く普及することで、持続可能な取引が促進されることが期待されます。私たちの未来のために、こうした科学的アプローチがますます重要な役割を果たすことでしょう。


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会社情報

会社名
株式会社ニッピ
住所
東京都足立区千住緑町1-1-1
電話番号
03-3888-5111

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