サステナブルな一生もの鞄を目指すジビエレザーの魅力

近年、環境問題への関心が高まる中で、サステナブルな商品を求める声が増えています。その中で注目を集めているのが、天然鹿革を用いた「ジビエレザー」です。下町の工房「渡邊鞄」とのコラボレーションにより、鹿革の特性を生かした「一生ものシリーズ」が発表されました。

増えすぎる野生鹿とその利用

近年、人間の活動と自然環境の変化が影響し、野生の鹿の数が急増しています。過去30年間でその数は約8倍に達し、年間で250万頭もの鹿が生息しています。しかし、環境への影響を考慮すると、これらの野生鹿は害獣扱いされることも多く、その肉以外は有効に活用されていないのが現状です。

ここで注目されるのが鹿革です。軽くて柔らかい質感から高級素材として評価される鹿革ですが、その利用はまだまだ限られています。そこで、私たちはジビエレザーを用いることで、鹿の数を自然環境に適合する範囲に保ちながら、持続可能な社会の実現を目指しています。

職人のこだわりと「一生ものシリーズ」

「希少なジビエレザーを有効活用し、壊れにくい一生ものの鞄を造る」というビジョンから始まったこのプロジェクト。渡邊鞄は東京の下町で、伝統的な技術を持つ職人たちがいる工房です。創業50年を迎えるこの工房は、ただ鞄を作るだけでなく、職人としての経験と技術を活かし、真に価値ある製品を提供することに力を注いできました。

「一生ものシリーズ」は、壊れにくさと長く使えることを重視し、愛着が湧くようなデザインを追求しています。製品はシンプルでありながら、細部にまでこだわり抜いた仕上がりで、使い込むほどに味が出てきます。これにより、消費から持続可能な使用へと意識が変わることを期待しています。

環境問題へのアプローチ

現代社会では、壊れた物を簡単に買い替える風潮がありますが、私たちはこの考え方を変えたいと願っています。壊れてしまった製品は、新しいものに置き換えるのではなく、長く使える良い素材であるジビエレザーで作られた鞄を選ぶことで、環境に対する影響を減らすことができます。

「渡邊鞄」は、これからもジビエレザーを駆使し、環境と共生しながら持続可能な製品の開発を続けていきます。壊れにくい、そして愛着の湧く製品を提供することで、人々のライフスタイルが少しでも良くなることを目指しています。