特別な舞台芸術が問いかける、身体の自己決定権の新たな視座

京都芸術センターが生み出す舞台の革新

2026年3月、京都芸術センターで新作パフォーマンス『向井山朋子WE ARE THE HOUSE：パフォーマンス』が世界初演される。この作品は、向井山朋子が2025年5月に実施したプログラム『向井山朋子WE ARE THE HOUSE：サロン』を基に取りつつ、新たに身体の自己決定権というテーマに光を当てるものだ。

このパフォーマンスは、中絶、#MeToo運動、クィア、家族、家父長制など、現代社会が直面する複雑な問題を扱っている。「私の身体は、私のもの」という根本的な問いを立ち上げ、多様な表現方法で観客に訴えかけることを目的にしている。出演者には、オランダの俳優・演出家ユスト・ファン・ボメルが加わり、国際活動家レベッカ・ゴンバーツ役を務める。

アートとアクティビズムの融合

本作は、身体表現、映像、レクチャー、そして音楽を組み合わせた多彩な構成で、アートとアクティビズムの交差点に立つ。具体的には、対話形式でのレクチャーが行われ、知識と体験の交流を促進する。このような形式は、観客に考えるきっかけを与えながら、社会問題への理解を深める意義を持つ。

また、2025年5月に行われたサロンプログラムでは、具体的なテーマとして以下のような問いが挙げられた。

- 中絶に関する制度やアクセスの現状
- #MeToo運動が引き起こしたジェンダー論の変化
- クィア・フェミニズムに基づく視点
- 家族の形や家父長制の課題
- 身体性に関連する文化的・歴史的考察

このサロンでは、参加者たちがそれぞれの意見や考えを交わし、触れたテーマに基づいて集団的な知識を深めていった。こうしたディスカッションが、今回の新作の創作に貢献している。

新たな可能性を探る

舞台上での表現は単なる演技を超え、現代社会における深いつながりを持つことが期待されている。向井山朋子は、従来の形式に囚われない新しい舞台艺术を追求しており、その成果を様々な空間で表現してきた。アムステルダムやニューヨークの劇場から、さらには島や寺院などの斬新な場所まで、彼女の作品は多くの人々に影響を与えている。

忘れられない経験に

この公演は、2026年3月21日（土）18:00、22日（日）14:00に京都芸術センターの講堂で上演される。一般は4,000円、U30は3,500円、U18は2,000円という価格設定で、多くの層が参加しやすい環境を整えている。:

本プロジェクトは、アートと社会の連携を促進し、観 audienceにとって身体の自己決定権という重要なテーマを考える場を提供するものであり、より広い理解と共感を生むことを目指している。京都から始まる国際的な創造の流れが、アートの未来にどのような影響を与えるのか、今から期待が高まる。