東洋建設の研究チームが土木学会特別賞に輝く！AI技術の可能性とは

東洋建設が土木学会AI・データサイエンス特別賞を受賞

近年、土木工学の分野では、AIやデータサイエンスの活用が急速に進んでいます。特に、東洋建設株式会社はその先進的な取り組みによって注目されています。この度、同社の研究員である増田和輝氏と金澤剛氏が、土木学会の「2024年 AI・データサイエンス特別賞」を受賞しました。この受賞は、彼らの論文「Physics-Informed Neural Networksによる浅水波伝播シミュレーションに関する基礎研究」が読者から高く評価された結果です。

AI・データサイエンス特別賞の意義

土木学会のAI・データサイエンス特別賞は、構造工学委員会が発行した論文集において、特に優れた研究成果を称えるものです。今回の受賞は、AI技術の新しい可能性を示す重要な例となり、また、AIを利用した最新の研究成果が土木業界にどのように役立つかを浮き彫りにしています。

受賞論文の内容とその影響

受賞に至った論文は、AIが土木工学に及ぼす影響について深く探求しています。具体的には、物理法則をベースにしたPhysics-Informed Neural Networks（PINNs）を活用し、海岸工学の分野で直面する課題であるデータ不均衡性や解釈性の問題に取り組みました。この研究では、2次元のダムブレイク問題を対象に、一般的な津波シミュレータT-STOCとの比較を行い、PINNsの実用性を詳細に検証しています。

特に、PINNsの適用によって、実験した範囲内のパラメータであれば、数値解析の結果に近い推算が可能であることが確認されました。この成果は、今後の津波予測や海浪のシミュレーションにおけるデータ駆動型科学の発展に寄与することが期待されます。